カウンセリングの現場で、声を出すワークをご提案することが結構あります。
なぜ声が大事なのか? そして、海外の専門家の「声」のワークもお伝えしていきますね。
まずは動画の方が伝わると思うので、どうぞ。
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より詳しくは、以下の記事よりどうぞ。
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コンテンツ
海外の研修でアフリカの音源を紹介
どの研修だったか、ど忘れしました(笑) その講師は、アフリカや先住民族にもトラウマや解離から脱出する踊りやリズムがあると言われました。
そして、あるアフリカの部族の音源を聞かせてくれました。ドラムの音と共に声を出していました。
少し悲しいことを連想するようなリズムで、何か内面が熱くなってくるような感覚になったのを覚えています。
音源は公開されてないのか、ネットでは見つかりませんでした。すいません。
世界の声の伝統
世界には様々な声を出すプラクティスがありますよね。マントラを唱えたり、声を出す儀式をしたり。
なぜ何百年、何千年も伝えわってきたのか、意味があるのだと思います。
声を出す、というのは歌もそうです。黒人がブルースを作ったように。トラウマを乗り越えるための自然な行動だったのかもしれません。
なぜカウンセリングで声を大事にするのか?
その理由は、トラウマや傷つき体験で「声」が……奪われるからです。正確には、声「も」うばわれる。他にも大事なことを奪われます。
ショック過ぎると、その瞬間、声が出なくなります。出ないことが自然なのです。熱いものを触ったらやけどするように。
体が固まり、のども固まり、声が出なくなる。その声を取り戻すのが、セラピーの目的でもあります。
「表現しない」「言い返さない」
力のある人には、こどもは言い返せません。声を出さないで、黙っていた方がサバイバルできます。そういう意味で言えなかったことを、セラピーで言ってもらう。
ずっと言えなかった….でも、今は言える。文字通りショック過ぎて….話すことが「できなくなる」ということもあると聞いたことあります。それだけ強烈ということ。
強烈なトラウマ体験は、言葉にできない
トラウマの記憶はあいまいになります。そして、感覚や出来事をうまく描写できなくなります。
これも自然な反応です。この辺は、言葉にしようするアプローチもありますよね。
でも言語化するのが、ホントに意味あるのかは疑問です。余計にしんどくなりそうです。やはり、身体的に解放していくのがいいと思っています。
リバイン先生の声を使って解離を解放する方法
Peter Levine先生は、Vooooooという音を発声するワークを推奨されています。先生のデモのセッションでも、この「ボォー」を戦争帰還兵のクライアントをはじめ、多くのクライアントに提供されていました。
この発声のプラクティスがトラウマによる「フリーズ」した体を解放してくれるという。試してみると、確かに体の根幹が、中心がバイブレーションを起こす感じになります。
カウンセリングの現場で、多くのクライアントさんにこの声出しも提案してきました。
このプラクティスをすると身体感覚が蘇りやすくなり、シャットダウンから抜けられることが、たびたびありました。
なぜシャットダウンの状態から抜け出れるのか?
という解説は複雑なのですが、簡単に言うと、Voooooのように、お腹の中心から声を出すことで、脳の調整機能が改善されるということです。
何を調整するのかと言えば、消化器系、社会性、感覚。この辺りの調整ができるようになるということです。
そのうちに、ポリヴェーガル理論でいうところの「人との関わりのシステム」の腹側迷走神経が起動するということです。
バンデルコーク先生が東洋の文化を賞賛
先生が2011年に日本に来られた時も、それぞれの文化にトラウマを乗り越えるプラクティス(儀式、習慣)があると強調されました。
日本は特に伝統的な武道、和太鼓などがあり、西洋ばかりではなく国内に目を向けてみることが大事と言われました。
ヨガなどもそうですが、日本のプラクティス(茶道、武道、和太鼓など)には「今」を体で感じる必要があります。
日本を初め、多くの文化で声を出すプラクティスや儀式が多いのは無意識にトラウマや解離から解放される必要があったのでしょう。
先生はヨガの「オウム」を薦めました。ヨガのプラクティスで「ア」と「オ」の間の音を息を吐きながら言うものです。よくヨガのはじめと終わりにするやつです。
体は音を出す楽器なのです
音って「あ、い、う、え、お」とありますよね。それぞれの音が体の部分を震わせるということです。
例えば、「え〜」と声を出してみるとわかるのですが、頭の上の方に上がっていきますよね。「お〜」だったら、お腹の方が震える。
このように体は音を出す楽器のようなもの。それぞれの音に反応するのです。トラウマを体験すると、この楽器の通りが悪くなること。という解釈もできますよね。
何かが詰まっているのかもしれないし、通りが悪くなっている。だから、心理カウンセリングの目的は、いい音を奏でられるようにサポートすることなのです。
チャクラをボイスで解放する
体の上から順番に、頭頂、眉間、喉、胸、お腹、丹田…..という部分ありますよね。それぞれの部分が、どの音を、どのように出すかで、響くということです。
チャクラというとスピリチュアルな感じでよくわからないイメージがあるかもしれませんが、体の中心にある場所で、声によってもアクセスできる。声によって震わせて、開いていくということです。
たて笛を想像してもらえるわかりやすいかもしれません。上から順番に穴が空いてますよね。その穴の周辺が詰まっていると本来の音が出ないのです。そこを「おそうじ」することが大事なのです。
コーラスをするカナダ人のクライアント
多くのトラウマサバイバーさんたちとも声を出すワークをよくやりました。特に、解離やシャットダウン傾向強い人と。
さらには、のどに違和感や詰まっている感じが出てくる場合も声出しを提案しました。
あるカナダ人男性のクライアントはコーラスを長年習っていました。コーラスで慣れていたので、声を出すワークを一緒に探求しました。
Vooooやオウムもやりましたし、色々な音を出してみました。高い音から低い音まで。
その時にのどに「解放された感」が出てきたこともありました。解離的な傾向の改善もみられました。
一方的な押し付け的な関わりではなく、実験的な探求の態度が大事だと実感します。
あなたの本当の声を取り戻す
ここまでお伝えしてきたようなことを、心理カウンセリングを通じて続けると、声が解放されてくることが多いです。
そして、「本当の声」「本来の声」を取り戻すのです。
実際に声の出方が変わってきます。別人の声になるという訳ではないです(笑) しっかりした声になると言いますか。
人に届く声になるようなことです。だから、何かを主張した時に、相手を説得しやすかったり、主張を認めてもらえる確率がグンと上がります。
人との関係もそうですが、自分自身の声を取り戻すことで、充実感、安心感、体の中心に軸ができたような感覚があることも多いです。
ボイスセラピーやボイストレーニングは効果的か?
様々な声を出す療法がありますよね。ボイスセラピー(音読療法)やボイストレーニングなどで、音読や発声練習などで声を出しますよね。
これらは、心と体の健康度が高い方には向いていると思います。トラウマを抱えた人は、ただ声を出せばいいというものではなく、声を出せなかったパーツさんに寄り添う必要があります。
だから、ガイドをするトレーナー(先生)が身体、呼吸、トラウマ、パーツなどに詳しい必要があると思います。
そうでないと、何時間、何十時間、声出しをやってもトラウマを抱えた人は、効果が出ないと思います。
まあ、ちょっと声が出やすくなったり、歌がちょっとうまくなる、みたいなことはあるかもですが(笑)
例えて言うなら、トラウマによって固まった体を、ただマッサージするようなものです。その時はほぐれるけど、いっさい改善はしない。
固めているパーツさんに許可をもらったり、対話したり、心の部分も一緒にやっていかないから、また元の状態に戻るのです。
否定をしたい訳ではなく、トラウマを抱えた人に知って頂きたいだけなのです。
最後に、声を出してみる
まとめを少し。声を出すことは様々な文化で伝えられてきたことです。過去の傷つきから解放される為にも、声の力を活用することはごく自然なことだと思います。
あなたも今、「あ〜」でも「う〜」でも声を出して探求してみてはいかがでしょうか?