この記事を書いた人 

山口修喜(Nobuki Yamaguchi)

北米に17年間住み、カナダ、ブリティッシュコロンビア州の公認臨床心理カウンセラーとして7年間働く。

帰国して、海外の最新トラウマセラピーを支援者に講座で伝え続けている。

 

 

ぽむ
カラダの感覚がない? どーゆこと?

 

山口のぶき
ぽむ~。あなたにはわからないかもね、笑 ワン達は感覚が中心だから。

 

ぽむ
また、僕がわかってないとか言う! わかってるもん、怒。

 

 

トラウマによって身体感覚が感じれない

 

感情を回復するのと同時に、
身体感覚も回復させることはとても重要です。

臨床経験から、体を感じることが
出来ないと他の心理療法が出来ずに
無駄な時間をクライアントに
過ごさせてしまいます。

これは依存症状や解離についても同じです。
それらは、感じることの逆ですよね。

虐待などのサバイバーさんは、
過去のトラウマの
フラッシュバックに耐え難く、
依存や解離を繰り返す傾向があります。

カウンセリングでトラウマのことを
話してもらっても、
よくならないどころか、
悪くなることがある。

マシンガンのように
強迫的にすべてを話すから、
聞いてほしいという
クライアントさんも多いです。

身体感覚があってこそ
様々な解放が起こってきます。

 

 

体の感覚を感ないように生きてきたクラアントさん

 

デズモンド(仮名、40代)は
今まで関わった、サバイバーさんの中でも
特に身体感覚がありませんでした。

もう10年も前の、
カナダ時代のクライアントさん。
まだ私は駆け出しで、
心理カウンセラーとして
働きはじめの頃でした。

 

彼はとてもマッチョで、
工場で働いていました。

工場の製造機械が壊れると
彼はすぐに直すことが出来ました。
会社で一番頼りになる存在。

誇らしげに「かなり重たい機械の部品を
軽々と運べるのは俺だけだ」
と語っていました。

怪我も日常茶飯事で、
「全然痛くない」と平気な顔で
傷を見せてくれました。

デズモンドとカウンセリングを
進めていく中で、
離人感があると分かってきました。

彼にとっては「普通」というのだが、
人と関わっててもどこか
自分ではないような気がするという。

自分の少し右側から自分と他人を
見ている感じと言いました。
まず彼にとっての離人感について尋ね、
そして心理教育。

身体感覚を育てる重要性も話し、
ある時、意識して自分の腕を
触ってみようと促してみました。

彼は訳の分からないことをさせるなぁ、
という表情で腕をゆっくり触りました。
デズモンドの目が大きく開き

「なんだこれは、まるで電流が流れている!」
と驚きました。

今ではわかりますが、覚醒状態なって、
触れるという事に対して怖い感覚を
覚えさせてしまったと思っています。

私自身はこれでもかと
ゆっくりしたつもりだったのですが、
いきなり過ぎでした。

 

新米カウンセラーだった私は、
トラウマセラピーの難しさを
痛感させられました。

確かに振り返ると、
デズモンドは握手が苦手だと言っていました。
私の見立てが甘かったんです。

まだ臨床経験が浅く、
ダメダメカウンセラーの私は、
後日のスーパービジョンで
彼のことを話しました。

「腕を触ってみる事からやってみたんですが、
すごい反応されていました」と伝えました。

スーパーバイザーは
確信を持って言ってくれました。

「身体感覚に注目し、育てていくことは
素晴らしい。しかし、手で触ることより
もっとゆっくりしてもいいと思う。」

彼女は人差し指を出して、
「指1本で机を少し触ることから」と言った。
その方が安全だという。

 

 

指1本から、感じることを練習する!?

 

私は手で感じてみるところからでも、
かなりゆっくりだと思っていたので、
「指1本から」と言われたときは
目からウロコでした!

自分自身の「ゆっくり」
の概念が変わりました。

スーパーバイザーは続けて教えてくれました

「指一本がすぐに出来るとは限らない。
慣れるまで何週間もかかることがある。
それが出来れば次は2本。
その次は3本。この地道な作業こそが
トラウマセラピーよ。」

彼女はすべて悟っているという印象でした。

彼女の言う通り、デズモンドが1本の指で
机を感じることに慣れるのには、
数週間以上かかりました。

カウンセリングのセッション
3回くらいだったと記憶しています。

30年以上も体を感じることを
拒否してきた彼にとって、
「感じること」は恐怖であり、
全くの新しい体験だったのでしょう。

 

 

なぜアニマルセラピーなのか?

 

デズモンドの時も役に立ったのが、
私の愛犬、ポム(ポメラニアン)でした。

彼は性被害や暴力を受け続けていた時に、
唯一心のよりどころになったのが、
家にいた犬と猫だったという。

デズモンドがある程度
「指」に慣れてきた時に、
私はポムをセラピーに連れて行きました。

 

彼は嬉しそうにポムを抱いたり
触ったりしていました。

「ポムを触っている感じはどう?」
と質問してみると、

毛がふわふわで気持ちいいと言いいました。

この時思った!
安心できる動物だと
「感じる」ことがやりやすい。

指1本でしか、感じれない人が、、、
犬だと心地よく触れる! 感じれる!

この体験を通じて、
身体感覚を育てるには、「安心感」も
一緒に必要なのだと実感させらました。

その後も多くのサバイバーが
ポムとアニマルセラピーをしてきました。

ポムはco-therapist、
つまりもう一人の助手セラピストでした。

ポムが頑張った時にはマッサージをしてあげ、
彼の好きなおやつをあげました。

 

 

 

感じる事が怖いのは自然

 

長年、感じなくしてきた人にとって、
感じるってとっても
怖かったりすると思います。

強い不安であるかもしれない。
感じることは、未知の体験だとも
言えると思います。

今までの生き方が、ガラッと
変わるような体験なのかもしれません。

クライアントさん達は
「何も感じない。」
「過去の嫌なことを思い出しても
体の感覚がない。」とよく言われます。

それくらい強烈に感じなくしているのは、
ちゃんと意味があることですよね。

サバイバルスキルであって、
必要なことだったんですよね。

身体感覚を育てるということは、
解離や離人感の回復と深く関係しています。

重要なことは「今」どう感じてるか。
とにかく少しずつ「感じる」だけ。

そんな時は、まず
「楽しかったこと」
「達成できたこと」
「感謝していること」を思い出す。

その辺からはじめるのもいいですよね。

さらに、おいしいものを食べている
「今」はどう感じているのか?
などを探ったりもします。

感覚がない人にとって、感じることは
ほんのかすかな「違和感」「感覚」
から始まっていく。

あきらめずに少しずつ進めたいですよね。

 

 

まず支援者が身体感覚を大事にする

 

まず治療者自身も身体感覚を
育てる必要があると思っています。

体の感覚って何?
って言っている対人支援者、
たまにおられます。

育ってきた環境もあるだろうし、
忙しすぎて、体の感じを無視して
日々を過ごしていることもあります。

ある程度、健康な人でも日本社会で
毎日長時間働くことにより、
身体感覚が鈍くなってくるのかもしれません。

いちいち不安で胃が重たいとか、
疲れていてどう、
というのを感じていると
長時間の仕事が出来ないないですよね。

感覚を麻痺させないと
やってられないのかもしれません。

もし、そうだったら、
クライアントさんと、
身体感覚を探求することはできないですよね。

クライアントと支援者、
一緒になって「身体感覚」をある意味、
興味を持って
探求していきたいですよね。

 

 

ぽむ
今日は僕の活躍ぶりが、目立っていたね〜。

 

山口のぶき
そうだね、デズモンドをはじめ、多くのクライアントさんが恩恵を受けたと思うよ。

 

ぽむ
お〜、じゃあその活躍を賞賛して、おやつっ! 倍増だね〜。

 

山口のぶき
いつもそこに、からめてくるやん、笑。

 

 

 

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