姿勢にアプローチしてトラウマを解消する

 

普段、心理カウンセリングを提供していて、クライアントの姿勢を意識していますでしょうか?

姿勢には、様々なメッセージがあります。

姿勢には、トラウマから回復するヒントも隠されています。

この記事では、姿勢にアプローチしてトラウマを解消する7つのステップをお伝えしますね。

まずは、こちらの動画からどうぞ。

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まず様々な姿勢を観察してみる

 

あまり深く考えずに、まずは色々な写真をみていきましょう!

まずは「姿勢」に興味を持ってみましょう。

 

まずはこちらの姿勢から

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なんとも幸せそう!

日常的に、大きく動くことを許されたこどもは、自由で柔軟な姿勢になっていきそうですね。

感じる空間も広いのかと思います。気持ちもおおらかだったり。

 

もう一つ、こどもいきましょう。

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いいですね〜。

足をガンと放り出して〜(笑)

「もっとジュース持ってきて〜!」なんて主張してそうですね(笑)

もし親に強く怒られたら、どうなるでしょうか?

「自由な姿勢」とは? なんか興味深いですね〜。

 

次はこちら

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姿勢というよりは、マッチョ。

そんなに筋肉をつけて、何を守っているのでしょうか?(笑)

虚勢を張って、弱い部分を隠しているのでしょうか?

 

さあ、まだまだあります。

こんなのどうでしょう!

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やる気ないやん!(笑)

なんか、ほのぼのしいけど。

私たちは、もっとダラダラな感じで、グータラな格好で過ごしてもいいと思います。

会社だって、学校だって、みんなかしこまって、ちゃんと座りすぎ。

行儀よくしなさい、なんて言われること多かったですよね。

でも、もっと自由にしてもいいと思いますよ〜。

このカンガルーさんのようグータラ姿勢で、ご飯を食べてもいいですよね。

 

次はこれ!

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いや〜。

これだけのおばあちゃんになったら、腰曲がってると思うけど、、、色々なものを背負ってね。

でもこのファンキー婆ちゃんは、背筋が伸びてそう。

背筋が伸びていることで、明るく生活できるのかもですね。

 

次はお猿さん。

どんな姿勢か観察してみましょう。

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猿は基本猫背、、、

猿なのに、背、、、(笑)

話を戻します。猿は四足歩行だから、猫背の方がいいのでしょう。

人間は、頭が重たいから、背筋が真っ直ぐじゃないと、バランスがとれないのです。

そして、二足歩行だから、背筋が伸びている。

 

いかがだったでしょうか。

姿勢について、ちょっとは興味が湧いてきましたでしょうか。

 

 

姿勢(ポスチャー)とトラウマの関係性

 

トラウマを受けると姿勢はどうなるのか?

何らかの攻撃、嫌な出来事などは、感じないようにしたりして、適応するのです。

様々な方法があるのですが、その1つが「姿勢」ということなのです。

トラウマと身体で有名はパットオグデン先生、海外のソマティックセラピストたちが言います。

トラウマを経験すると、大きく分けて、2つの姿勢で対応するということ。

これを理解することがトラウマを解放する方法に繋がってくるので、大事です。

 

1つは、降参のポーズ

私が勝手に命名しました。腰が後傾になって、猫背になるようなポーズ。

そうやって降参するのです。そして、その姿勢をすることで、胸、腹、喉、性器を守っているのです。感情を感じないようにしたりも。

想像してみてください。前から車が突っ込んできたら、、、避ける暇がなかったら、腕を前でクロスにしてお腹を引っ込めますよね。そんなイメージです。

相手に「降参しました!」というメッセージを送っている、という意味もありますよね。

もう一つの姿勢はなんだと思いますか? 拳法のポーズ(笑) 半分冗談です。

 

もう一つの姿勢は軍人のポーズ

腰をそって、胸を突き出して、、、「かかってこいや!」っていう感じ(笑)

背骨は柔軟というよりはガッチガッチに硬い。どんなことでもやり抜いてやるという企業戦士のよう。ある意味、過覚醒になって、サバイバルする頑張り屋さんのようです。

 

下のイラストをご覧ください。明確ですよね。降参のポーズが猫背と書いてある右のイラスト。軍人ポーズが反り腰と書いてある左のイラストです。

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そんな2つのタイプでトラウマに対応しているのです。ポリヴェーガル理論でいうと、左のイラストの軍人ポーズは過覚醒の闘争逃走なのです。

右のイラストの降参ポーズが低覚醒やシャットダウン、という解釈もできるのです。

 

連続体になっている

もうちょっというと、この2つのタイプは両極にありますよね。

降参タイプから軍人タイプ。これは連続体にあるのです。ちょっとだけ降参よりとか。連続体という概念が、とても大事になってきます。

ややこしくなるけど、両方のタイプで対応してきた人もいるのです。トラウマと姿勢に関しては、色々な指標がありますが、この「軍人から降参ポーズ」の連続体が基本になります。

支援者は知っていると、臨床の幅が広くなると思います。この知識が介入方法に繋がってもきます。

 

 

よくある間違ったアプローチの仕方

 

よくある間違った対応法をご紹介します。間違った方法だとトラウマは改善されません。

例えば、猫背のポーズみてみましょう。ボディー系の施術でも「猫背を改善しましょう」「いい姿勢は重力と一体となって、、、」みたいなことを支援者が思っているし、言ってしまう。

「猫背、矯正プログラム」とか命名して(笑) これでは何度やっても矯正されないことが多い。それは体だけ無理やりやっているから。

そして、猫背の姿勢に敬意を払っていないからです。心理系のセッションでも同じことです。治そうとか、いい姿勢とか、悪い姿勢とか、思っていると、それが態度に出ますよね。

上記のさっきの写真を見れば明白。⚪︎とか、✖️とか、正しい姿勢とか、書いてあるし(笑)

 

猫背という姿勢はサバイバル(適応)に必要だったのです! 猫ちゃんありがとう〜! くらい言わないと(笑)

これは軍人のポーズも一緒です。どんな姿勢もその人のリソースなのです。生き様なのです。だから、支援者は、猫背を「心から」承認しましょう。

まず、そこからはじめましょう。そのような支援者の「姿勢」が大事なのです。ありよう、態度という意味の「姿勢」ね。ややこし(笑)

支援者の「姿勢」がクライアントの「姿勢」を変容させる。

名言でた(笑)

そうしないと、クライアントはいつまでたっても、猫背の姿勢のままで人生を歩んでいかれることになる。

さあ、続いてはトラウマセラピーにおける姿勢への介入方法です。

 

 

姿勢へのトラウマセラピー的な臨床とは?(7つの介入)

 

 

どのように姿勢にアプローチしてトラウマを解放していくのか? 7つあるので、1つずついきましょう。

 

まず認める

降参のポーズでも軍人のポーズでも、どんな姿勢も認めることが大事ですよね。

表面的にではなく、心の底から認めれたら最高です。

 

メリットを明確に

その姿勢をすることで、どんなメリットがあるのか? あったのか?

どんな意味があるのか? あったのか? その辺を再確認することも必要です。

「猫背の姿勢をして感じないように耐えてきた」これは必要なことだったのです。

家に引きこもって、ずっと姿勢を丸めて、スマホをみていた時期、、、これも必要だったのです。

 

自分の姿勢に気づく

支援者もクライアントも一緒に、自分がどのような姿勢になっているのかを、気づきましょう。

ずっと猫背になっていたら、慣れてきていて、気づかないこともあります。

カウンセリングのセッションの時に、あらためて「今」の姿勢に意識を向ける。

それとクライアントさんの日常生活で「姿勢」に意識を向けるような、サポートも大事だと思っています。

「日常」と「セッション」この両方でやるから解放のスピードが早まるのです。

 

一緒に探求する

ちょっとずつ、背筋を伸ばしたり、縮めたりしてみる。その時どんな変化が起こるのか?

矯正とか、治すというより、実験的な態度で。支援者とクライアントが一緒に探求する感じでやる。

背骨を少し伸ばそうとすると抵抗が起こることも自然。

その抵抗を支援者がサポートする。例えば「そのような抵抗があるのですね〜」というように。

「何か必要なことがありますか〜」なんて聞くのもあり。

「こうしてみましょうか〜」なんて提案するのもいいですよね。

 

パーツとの関係

特定の姿勢をやっているのは、パーツさんだということがよくあります。

そのような視点を支援者には持っていてほしいのです。

軍人のポーズをやっている頑張り屋のパーツさん、みたいなことです。

パーツだったとしたら、矯正とか、治すとか、言わないですよね。

パーツには、まず寄り添いますよね。

 

深いビリーフの関係を探る

特定の姿勢には、深い信念(ビリーフ)くっついてることが多いのです。

猫背のポーズは「人は怖いものだ」とかね。

軍人のポーズは「弱みを見せたら終わり」とか。

その辺の深いビリーフを明確にする必要あります。

姿勢を解放する時に、ビリーフも緩めるアプローチが必要です。

 

愛着と姿勢の関係

強く結果を求める親だと、こどもが軍人的なポーズになっても自然です。

親がいつも不安で、人に怯えていたら、こどもが猫背のポーズになっても自然です。

そのような愛着のパターンも「姿勢とトラウマ」には大事なのです。

 

さらに、、、

今回けっこう書きました。でも、まだ大事な介入方法などあります。

筋肉にアプローチしたり、背骨を緩めるワークなどなど。

もっと深く学びたい人は、1年コースにいらしてくださいね。

 

ふと思う。軍人のポーズ? 猫背のポーズ? 自分で書いていて、ネーミングがヤバイな(笑)

全然「認めている」感じがしない。悪いイメージが。

どないしよ〜。

 

軍人のポーズ → できる会社員ポーズ!

猫背のポーズ → 最強まる虫ポーズ!

とかどないだろ〜(笑)