トラウマエネルギーをリリースする(安倍元首相の事件)

 

いつも大事なことしかお伝えしてないのですが、今日の記事は特に大事!

ほとんどの人が知らないことです。気合い入りましたでしょうか(笑)

単発的なトラウマ、継続的なトラウマにも関係します。

どうやってトラウマエネルギーを解放するのか? という話。

今回は安倍元首相の事件を例にします。

あなたは心理士。

ある時、安倍元首相の襲撃の現場にいた人が、相談に来ました。

まずは動画をどうぞ

⬇︎

 

 

トラウマ的事件を目撃した後遺症を治療する

 

その相談者は、事件のすべてを近くで目撃して以来、

寝れないし、恐怖感がなくならない、というのです。

そんな相談者を前にあなたは何をしますか?

 

 

そりゃあ、アセスメントから始まり色々やりますわな。

何回かセッションを繰り返し、そろそろ体に溜まった

トラウマエネルギーを解放する⋯⋯そんな段階に来ました。

あなたは何をしますか?

 

よく言うのが、闘いたかった闘争のエネルギーを解放していこう。

これも、もちろん大事。でも、もっと大事なことがあるのです。

あなたはこう言うかもしれない。

現場から逃げたかったエネルギーを解放しよう。

これもよくある。でももっと先にやることがあるのです。

なんだろう⋯⋯?

 

そうか! 怖かったよね〜 孤独だったよね〜

という部分によりそう。もちのろんで大事ですよね〜

でも、もっと大事なのがあるのです。

「あれでしょ!」そう指摘できたら、あなたは勉強熱心な人か、センスのいい人です。

「やり返しかったよね」「逃げたかったよね」という闘争逃走のエネルギーの解放でもない。

「怖かったよね」という部分に寄り添うことでもない。

 

 

闘争逃走反応のエネルギーを解放する前にやること

 

もっと先にやる大事なこと⋯⋯

それは⋯⋯「びっくりしたよね〜」

ここに寄り添うことなのです!

「びっくりした反応」ここのトラウマエネルギーを解放することです。

だって、びっくりして体フリーズしたよね。

 

 

事件が起こった時、一番最初に人はどんな反応をしますか?

銃声が聞こえた時です。

「へぇっ!」みたいに言葉にならないショックを受けますよね。

「何があったんだ」というように混乱しますよね。

支援者がここを意識して、ちゃんとアプローチする必要があります。

たまたま相談者が言ってくれる時ありますよ。

「びっくりした」ってね。でもほとんどの場合、びっくりし過ぎて、

ショック過ぎて、フリーズしていて、言語化できないのです。

そこを紐解いていくのがトラウマセラピスト。

この「びっくりした反応」に寄り添います。

そして⋯⋯ここを身体的なアプローチでまず解除していくのです。

これは安倍さんの事件のことに限ったことではないです。

どんなトラウマも「いきなり」なのです。

だから、びっくらこくのです(笑)

「びっくりした」というトラウマエネルギーをまず解放する⋯⋯

このことに、びっくりしましたぁ?(笑)

この話、実はめっちゃ奥深いのです。

 

 

「びっくりしてフリーズした」というトラウマエネルギー

 

やり方は沢山あるし、クライアントによります。

でもまず「びっくりしたよね〜」そう寄り添っていくことが大事。

クライントが言わなくても、支援者からね。

もう1つの方法は⋯⋯「やり直す」という方法。

過去にできなかったことをやるのです。

安倍さんの事件を例にいきますね。

あなたの目の前にいる相談者⋯⋯

事件を目撃した後遺症で苦しんでいるのです。

目撃者はどんな体験をしましたか?

銃が「とつぜん」発砲されたのです。

予測してなかったことが起きて、びっくりしたのです。

現場にいた目撃者ができなかったことは何ですか?

それは事件を「事前に知る」ということです。

事前に知らされてないことだから、びっくりするのも当然です。

ショックを受けるのも当たり前です。

 

 

ショック、驚き、フリーズなどを解放するイメージワーク

 

さあ、みんなでイメージしてみましょう。

支援者は特に感じながらゆっくり読み進めてね〜。

実は、日本中の人、世界中の人が知っていたのです。

事件の日、何が起こるのかを。

全世界ライブ配信中で〜す(笑)

 

あの日、安倍さん奈良で演説するよ〜

犯人1時間前から現場をウロチョロしているよ〜

実は、犯人の家も知ってるよ〜

犯人、手作りの銃を持ってるよ〜

なんか楽しくなってきません?(笑)

不謹慎とか人が死んでるのよ、というは横に置いといてね。

続けますね。

 

犯人後ろにいるよ〜

そうそう。

タイマーが犯人の頭の上に表示されていて⋯⋯

「発砲まで、あと2分」

 

 

そろそろSPさん心の準備してね〜(笑)

「発砲まで、あと10秒」

慌てな〜い、慌てな〜い、

はーい、発砲されたよ〜

SPさ〜ん、安倍さ〜ん、しゃがめば大丈夫よ

 

そして現場にいる人〜 この寸劇を見守ってね〜(笑)

あなたのところには銃弾は絶対に飛んでこないよ〜

なんならスーパースローモーションで銃弾を確認できるよ〜

ほら大丈夫、安倍さんも、ちゃんと避けたよ〜

犯人も捕まえられたさ〜

みんな拍手するさ〜

 

あなたの体は、今どんな反応をしていますか?

緩んだり、笑が起こったり、

そんな身体の変化に寄り添っていくのがトラウマセラピストですね。

このメソッドを⋯⋯「事前告知セラピー」そう命名しま〜しゅ(笑)

 

 

事前告知セラピーで8割のフリーズが解放!

 

今回の事前告知セラピーのことをメルマガでお伝えしたところ、いくつか返信を頂きました。

その中のお一人のコメントをご紹介させてください。皆さんの参考になると思います。

⬇︎

いつも楽しくメルマガを読んでます。

いまEMDRを受けていてちょうど悩んでいた解釈部分だったのですごく助かりました。

医師は「いまのあなた」で「トラウマ」にフォーカスしてと言うのですが、

眼球運動しながらフォーカスすると、どうしても過去に入りこんでしまい、

感情や景色を伝えても「それは昔のあなた目線だから…」と訂正されます。

わたしの頭はちんぷんかんぷんなままで、眼球運動を続行してました。

医師は続けて、よく「今のあなたから昔のその人に何て言いたい?」

と仰るのですが、なにも言えずモヤモヤしてました。

医師も爆発的な感情がわたしから出てこないのがモヤモヤするのか

「今のあなたから昔のあなたに何て言いたい?」と言葉を変えてくれるんですが、

着地点がわからないままEMDRするので、

固まって絶句してる昔のわたしに声をかけてあげる言葉もでてこず、

且つ感情は繋がっていてわかるので大人の自分も一緒にフリーズしてしまいそうになったり。

 

山口さんからのメルマガをもとに、

まずビックリしてたんだと認めることを意識して自分に声かけすると、

フリーズが8割ほど解けました!

そしてポロっポロっと感情が出てくるようになりました。もうビックリです。

事前告知アプローチのメルマガがタイムリーに届いたとき

「そうか!今の私は結果を知ってるから告知してあげれるんだ!」

と気づいたら胸やけのようなモヤモヤがスッキリしました。

着地点がわからず医師の求める感情的な反応ばかり見てましたが、

“今の私”が”告知できる未来の私”に変換され、頭がやっと納得した感覚です。

現在の私は未来の私である、なんて当たり前のことですがシンプルで力強いですね。

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というコメントを頂きました。

このコメントを読まれて、どんな感想を持たれましたか?

私はこう思いました。 

 

 

ソマティックなアプローチもEMDRと同じ

 

今回の場合はEMDRでしたが、ソマティックなアプローチ、〇〇療法など

他のアプローチに置き換えても同じですよね。

無理やり強引に促しても出ないものは出ないのです(笑)

勝手な憶測できが、多分トラウマ的なところにアクセスするがちょっと早かったようにも思います。

普段、支援者さん達のケースコンサルをしていると、もっと下準備的なことをやりましょう。

そんなことがよくあります。

大事なことは、例外はありますが、闘争逃走のエネルギーを解放する前に、

びっくりした驚きのショックを扱うということですね。

過去にこうしたかった、過去の自分にこう言ってあげたい、

それらはフリーズした部分を解放するから自然と出てくる、とも言えます。

支援者がベストなタイミングで促すから出てきやすいということです。

料理に例えると、下ごしらえに時間をかけるから、いい味の料理ができるのです

 

 

フリーズしてるから感情がわからない

 

過去にびっくりしたこと思い出せますか?

フリーズしたことでもいいし。

「あ、私今怖いと感じているわ⋯⋯」とならなかったですよね。

落ち着いて感情をモニターなんてできません(笑)

だってびっくりしてるんだから。

 

実はさっきのコメントの続きがあります。

⬇︎

余談ではありますが、山口さんの最近のメルマガで、

医師や支援者の方に感情を尋ねられても本当に「わからない」ということがわかりました。

感情にラベルがないのです。

えるならヘレン・ケラーとサリマン先生のようなかんじで、

「これは水!」と言われて、体感して、初めてラベルが貼られるような。

わたしは感情にかかわる圧倒的な語彙力の少なさを対面中に感じ、

フリーズというか固まってしまい、支援者の方に伝わらないもどかしさがまだまだあります。

今回の「事前告知アプローチ」はヘレン・ケラーのような衝撃がありました。

ほんとに広まってほしいと思いました。

長くはなりましたが、支援者側にもサバイバー側にもなにか大きなヒントになりそうだと思いました。

また楽しくメルマガ読ませてもらいます。ありがとうございました!

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ここから学べることは⋯⋯

 

 

トラウマセラピスト側が感情にラベルを貼る必要性

 

フリーズやびっくりしたことは特に、

支援者の方から「〇〇だったよね」と言った方がいいのです。

というか言わないとダメなのです。

わからないことを何度も聞かれることは苦痛です。

 

そして支援者の皆さま、事前告知セラピーと言っても、

ありとあらゆるやり方があって、

クライアントに合わせてやっていく必要があります。

今回紹介させてもらった事前告知のセラピーのやり方は、

わかりやすく文章で伝えるのに適した内容でもあります。

でも、「びっくりしたよね」

この部分をちゃんと汲み取ることを

まずは意識してみてはいかがでしょうか?