オフィスPomuで開催している総合トレーニング(1年コース)の

参加者より、いい質問を頂きました。

そして、やりとりする中で、いい感じに深まったので公開します。

「媚を売る」という防衛反応に関してです。

トラウマにあった時、人は防衛的な行動にでます。

闘う、逃げる、シャットダウン、媚を売る、ですね。

これらを理解することは、トラウマを解放するには大事なことです。

このようなやりとりでした。

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媚びるという防衛反応に関しての質問

 

総トレの参加者

いつも「クスっ」と笑えるメルマガありがとうございます。

今回のメルマガに関連して、以前から気になっていたことがあるのでお尋ねします。

4FのFawn(媚びを売る)の考え方、とても納得がいきます。

ただこれって人間には当てはまるけど、野生の動物の世界にも当てはまるの?

と疑問がわきました。

媚びを売る犬とか猫ってあまり想像できなくて・・・。

もしご存じでしたら教えていただけるとうれしいです。

 

 

山口

どうなんでしょうか⋯⋯(笑)

人間は言語を使えるからレベルの高い、複雑な媚びの売り方が出来ますよね。

動物は姿勢で示したり、餌をボスに与えるとか、

群れに所属するために反省の態度を表すとかはありそうですよね。

より人間に近い猿とか、哺乳類だとより高度な媚び方かもですね。

だから、人間より媚を売る戦略をとる動物は少ないのかもですね。

野生の動物はとにかく闘って、逃げまくる!

無理だったら、フリーズして、最後は死んだふり、みたいな(笑)

 

 

総トレの参加者

確かに同じ哺乳類でもサルのように集団で生活している動物と犬や猫は違うかもしれませんね。

「媚びる」っていうのは、社会性が高いからこそというか、

完全にシャットダウンするもう一段階前のサバイバル策のようにも思えてきました。

以前児童福祉施設で働いていた時のことで、年上の男子からプロレス技をかけられて

「へらへら」していた中学生の男の子を思い出しました。

私を含めて職員誰しもが「本人が笑っていて嫌そうじゃなかった」と受け取っていましたが、

いや~知らないって罪だなと改めて反省です。

だから学び続けるんですけどね。

 

 

シャットダウンするもう一段階前のサバイバル策

 

山口

本当は嫌なんだけど「へらへら笑う」ことでその場を和ませている、

そんな雰囲気の部活とかスポーツの場とかありそうです。

あと、おっしゃるように、学び続けること本当に大事ですよね!

もうちょと深めていくと⋯⋯

媚びるようになるプロセスって意外に複雑だなとも思っています。

闘ったり、逃げたりが無理そうなので、まずはフリーズする、でもやっぱり無理ってなって⋯⋯

媚びるみたいなこともやって、しばらくシャットダウン、

そのあとシャットダウンからちょっと出てまた媚びる、みたいな流れとかもありそうですね。

ちょっとわかりにくいかもですが、色々なパターンがあると思っています。

 

 

総トレの参加者

なるほど。

試行錯誤しているうちに「媚びる」がひとつの

サバイバル策として確立していくみたいな。

 

 

「媚びる」がひとつのサバイバル策として確立していく

 

山口

「媚びることがひとつのサバイバル策として確立していく」

この表現いいですね。知的な刺激を受けるという意味で。

まずは家庭内で媚びることをサバイバルとして覚えさせられる。

親との関係や兄弟との関係で媚びるようになるということ。

そして、10代、20代になって、恋人、友人、仕事の同僚にも媚びる傾向が出る。

そのように「サバイバル策として確立していく」ということなのかと。

 

さらに、神経系的な観点やポリヴェーガル理論的に考えると、

「媚びる」という神経系になってくる。

要するに、闘ったり、逃げたりという戦略はエネルギーがいるし、やりたくても出来ないのです。

怖くて闘ったりなんてできない。逃げて失敗したらとんでもない目にあうのです。

交感神経を覚醒しないと出来ないのです。

だから「媚びる」という行動が唯一のサバイバルの選択だったりもする。

そんな媚びるという行動のパターンが長い年月をかけて神経系の癖として強化されていく。

だからこそ、簡単に媚びる癖をやめれないのかとも考えられますね。

人生経験、発達の過程、サバイバル術、神経系の癖、

そんなところから「媚びる」が形成されていくのかと。

 

 

ポリヴェーガル理論的から媚びるを考える

 

総トレの参加者

「媚びる」という神経系ができあがる、まさにその通りですね。

施設に入所している子たちはほとんどが被虐待児童でしたが、

今にして思えば小学低学年でもしっかり媚びる神経系ができていました。

家庭でもそうやって生き延びてきて、家から離れて施設に入所してもその神経系で生きる。

本人がそのことに気付けないのは当然ですが、

支援者として関わる側にその理解がないのは致命的だったなと思います。

 

 

山口

「媚びる神経系」という表現いいですね。

私はこどもにあまり詳しくないので聞いてみたくなったのですが、

施設にいる「媚びる神経系」の児童というは、どんな特徴があるのでしょうか?

ポリヴェーガル理論の覚醒レベルで言うと、

少し過覚醒気味なのか、少し低覚醒気味なのでしょうか? 

それとも両方あるのでしょうか?

 

 

嗅ぎ分ける嗅覚と媚びる行動

 

総トレの参加者

媚びる神経系の子たちは、力関係において相手が自分より上か下かを

かぎわける嗅覚がめちゃくちゃ鋭いです。

上だと思った相手には媚びて、下と見た相手には横柄だったり、召し使いのように扱います。

悪知恵が天才的に働く子もいました。

思春期の女子でルックスもいい子だと女性性を武器に媚びるのも多かったですね。

ポリヴェーガル理論で言うならば過覚醒状態のことが多いですが、

ある女子は解離するとも言ってました。

だから、気分が乱高下して間がないというか、耐性の窓が狭いかなと思います。

書いてたらなんかボーダーの人っぽく見えてきました。

ただやはり彼女たちはかなり劣悪な家庭環境で生活してたので、

人はそういう環境に置かれると生き残るためには

ありとあらゆる策を講じるんだなと今なら理解できます。

 

 

山口

ありがとうございます。とても具体的で、わかりやすい例を挙げてくださいました。

  • 相手を嗅ぎ分ける嗅覚
  • 自分を武器にする
  • 過覚醒状態
  • 解離状態
  • 耐性の窓が狭い

というのがキーワードですね。

解離という部分が興味深いのは、媚を売る時は、

それが得意なパーツさんが対応するみたいなことですよね。

媚を売る時の体の使い方や姿勢なんかも興味深そうですね。

胸を張って堂々と自信満々な姿勢で媚は売らないですよね(笑)

そういう意味では、ソマティック心理学、ポリヴェーガル理論、防衛反応、パーツ心理学、

様々な視点から今回の「媚びる」ということを考えることが大事だと改めて実感しました。

ありがとうございました。

 

 

ソマティック心理学、ポリヴェーガル理論、パーツ心理学からみる防衛反応

 

総トレの参加者

1つのことを探求すると、

奥が深いなぁと改めて思いますね。

ソマティックの観点だと、

「女に眉」で「媚びる」は表情により出るのかなとも思ったり。

私にとって「媚びる」で思い出されるのは、

遠藤周作さんの『沈黙』に出てくるキチジローです。

何度も人を騙して嘘をつくこずるい男性ですが、

彼も生きることに必死だったなぁと。

ありがとうございました。

 

 

山口

眉でも表現する(笑)

「女」という字が入ってる漢字って男性主義的な時代のあわられですね。

こちらこそありがとうございました。

やりとり楽しかったです!

 

 

 

 

 

 

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