トラウマや虐待からくる思考の解離|臨床的な理解と対応法を解説

 

見落としがちな、思考の解離についてです。

支援の現場にいると思考がとってもゆっくり相談者さんおられませんか?

思考の解離は思った以上に多いです。まずしっかり理解しましょう。

そして、その対応法をじっくりお伝えしていきますね。

 

 

臨床の現場で、ゆっくり返答するクライアントさん

 

支援者が質問するんです。

その質問にゆっくり答えるクライアント。

とっても、ゆっくりですよ。30秒とか、1分経ったくらいに返答がある。

何往復か、やり取りするだけで、15分が経過してたりとか。

そのうち支援者も眠たくなる、、、「あー、このクライアントゆっくりな人だな〜。」

じゃ、ないですよ!(笑)

 

これは、解離の傾向ですよ。それも思考の解離。

感じることを解離している感情の解離なんてよく言われるけど、

思考も解離するのです。思考がゆっくりに。思考が停止するのです。

 

 

なぜそのような思考の解離が起こるのか?

 

簡略的に説明すると、、、毎日毎日親に詰め寄られた時、こどもはどう対応しますか?

何回か反論するかもしれない。

でも、こどもは無理やりねじ伏せられてしまう。

そうなったら、「もう感じましぇ〜ん。」「もう考えられまへ〜ん。」

と、解離する方が苦痛が少なくなるのです。サバイバルですね。

親がゴチャゴチャ言ってくることが、、、遠くで聞こえてくるかすかなBGMになる。

だから、、、不健康で、毒親で、虐待環境なら、

口答えする論破王になるより、アホっぽくいる方が、賢い生き方なのです。

アホと言いたい訳ではないですよ。

その逆。実は、、、賢くないフリした賢者なのです!

 

 

おー、なんか名言が出た(笑)

普段の臨床で観察してみてくださいね。

そんな場合、どう対応するのか?その辺をお伝えしますね。

 

 

山口のぶき
ぽむ〜。

思考の解離だってよ。

そ、そういえば、ポムは、ほとんど思考してない!

ずっと感覚感情で生きてる。

 

ぽむ
ふっふっふ。まかせなさい!

 

山口のぶき
おーぽむ先生っ!

やはり、あなたは、賢くないフリした賢者。

 

ぽむ
犬者(けんじゃ)と呼んでね〜(笑)

 

 

思考の解離を体験する

 

思考の解離を激しいのを一般的には体験しないです。

軽い思考の解離は、徹夜明けのボーッとした感覚とも言えます。

もしくは面白くない会議が5時間続くとか。思考が停止しますよね(笑)

もしくは急に、、Das Leben ist kurz, aber es fühlt sich lang an.

と書いたらどうですか?

???ってなりますよね。

ドイツ語で、「人生は長いようで短い」の意味らしいです。

このような思考の解離というのか、思考の停止は、一時的なものです。

でも症状によって違いますが、フワッと思考がゆっくりに慢性的になっているのです。

 

 

思考の解離のデメリット

 

思考の解離のメリットは、サバイバルや鎮痛剤というメリットですね。

デメリットも、もちろんあるのです。

普通に考えれば、わかりますよね。

思考がゆっくりになることで、人に侵入されやすかったり、トロイと思われたり。

仕事がゆっくりだったり、決断に時間がかかったり。

でも最も大きいデメリットが、本当にやりたいこと、求めていることがわかりにくかったり、表現しにくいということだと思っています。

人生において、とても大事なことですよね。

さてさて、ここからは、思考の解離にどのように対応するのか、をお伝えしていきますね。

 

 

思考の解離のトラウマセラピー的な対応法

 

思考がゆっくり、思考が停止、そのような解離の対応法。

秘策を伝授します。秘策! とか言うてるけど、知っている人にしたら普通のこと。

クライアントさんの思考がゆっくりになっているわけです。

支援者である、あなた、どのような言葉をかけますか?

 

質問の仕方を変える

思考の解離の秘策をお伝えします!

Chicken Or Fish ?

これが秘策なのです(笑)

最近では乗らなくなった飛行機で、外国のCAさんに聞かれるんです。

Chicken or Beef? てね。Beef に変わってるし(笑)

 

 

あなたが英語ができないとします。英語でガーッと早口で喋られると、思考が停止しますよね。

でも、chicken or fish ?って英語で言われると、フィッシュ!とか選べばいいですよね。

これが秘策の1つです。

思考の解離があれば、2択にして質問をするのです。

そもそも質問というのもハードルが高いのですが。

2択、、、例えば、心地いいですか? もしくは、ちょっと違和感ありますか? みたいなことです。

 

カウンセリングの会話を全て2択にするのは、非現実的です。

だから質問するのであれば、答えにくい質問を減らし、

ドキッとする質問も減らし、2択の質問を増やしましょう。

2択と言っても、「究極の2択」とかはダメですよ(笑)ネットで検索しました。

「私が相手を好き、相手が私を好き、どちらの方が良い?」

「ほしいものはなんでも手に入るが短命、平凡な人生だけど長生きできる、どっちにする?」

こんなのは誰でも思考の解離が起きます(笑)

普段の臨床で意識してみてくださいね。

ま、 機内食、、、チキン OR ビーフではなく、

地球に優しい、ベジーとか、ビーガンでもいいかもです(笑)

 

 

ぽむ
究極の2択、どっちにする?

 

山口のぶき
急にどうした?(笑)

 

ぽむ
「今のまま生きる」

もしくは、、、

「あなたの寿命を5年減らせば、僕と再会して、24時間過ごせる」

 

山口のぶき
答えは簡単だよ〜(笑)

 

ぽむ
そ、そうなの!?

 

 

カウンセリング中の質問に関して

思考の解離の傾向があるクライアントさんには、質問を数を全体的に減らしましょう。

質問というのは、そもそも侵入的な側面がありますよね。

質問した内容に対して、何かを開示してもらうのですから。

そして、質問の内容もできるだけ簡単にもしましょう。

一般的にですが「何を食べましたか?」よりも

「あなたにとって大事なものは何ですか?」の方がハードルは上がりますよね。

 

ゆっくりにご一緒させて頂く支援者のありよう

もう一つの秘策!

「何もしない時間に耐えれるか?」です。

また、よくわからんことを言い出しました(笑)

説明しますね。思考の解離がある人は、ゆっくりのペースなわけです。

支援者はそのペースと共にいることが求められる。

返答が返ってくるまでに、30秒、1分とか。

過去の臨床では、5分無言なんて普通だし、30分とか無言、みたいなこともありました。

それでも「一緒にいますよ」「そのペースでいいんですよ」というメッセージを伝える。

そんなありようで存在することが必要。

ここであの質問。支援者であるあなたは、、、1日の中で、

 

何もしない時間を作っていますか?

瞑想とかでもいい。ボーっとすることでもいい。

常に1日中何かをしていませんか?

SNSとか、スマホとか、パソコンとか、ずっと娯楽や仕事をやり続けていませんか?

ソファーに座っていても、ずっと忙しく考えてる。

もしそうだとしたら、思考の解離があるクライアントさんと共にいることは難しいと思います。

だって、イライラしてくるから。

だって、眠くなってくるから。

 

 

私だって昔、クライアントさんがちょースローな時、、、一緒に寄り添うことがしんどかったです。

何もしない時間を作れない理由は、瞑想の習慣がない、とか、自分のトラウマ的なことを解放していないから。

何もしなくなると、色々過去のこと、出てきます。

感覚とか、感情とか、いろいろ(笑)

 

何もしない時間を作ること、

現実的にも、毎日が忙しい。

精神的にも、なんかやれない。

習慣的にも、なんとなく馴染みが無い。

ということで、難しいのかと思いました。

 

だから、思考の解離の臨床でも大事なポイントなんだけども、、、

支援者として現場のカウンセリングをするには、

何もしない時間でも心地よく、普通にいられる。そんなことが求められます。

 

試しに探求してみる

今何もしない時間を、ちょっとだけとってみませんか?

意外に大丈夫だったりしますよ。慣れてないだけ、とか。

よかったら、探求してみてくださいね。

うまくやるヒント!

毎日やる。そしてちょっとずつやる。

15分の瞑想とか、急にやらないでくださいね(笑)

強めのトラウマ症状を抱えた方、やる必要はないです。

 

心理教育を簡潔に

心理教育の目的で、何かを説明する時も注意が必要です。

心理カウンセリングを進めてるにあたって、必要最低限の説明や心理教育でも結構あります。

だから思考の解離があるクライアントさんには意外に難しいのです。

試行錯誤も必要だし、工夫が必要です。

一気に沢山説明するのではなく、1つ説明したら、ちょっと休憩みたいなペースがいいですよね。

 

総合的な解離の対応をするトラウマセラピー

 

ここまでお伝えしてきた対応法は、やはり小手先といいますか、対処法にしかすぎないです。

思考の解離の対応法は、解離の対応法を総合的にすることが基本となります。

もっと言うと、解離に焦点を当てたトラウマセラピーをしっかり総合的にやることです。

その辺は、このブログでも色々お伝えしているのを、まずは参考にして頂けたらと思います。

まあでも、今回のブログの内容、けっこう大事だし、知らない人も多いと思います。