解離性同一性障害(多重人格)の特徴、原因、カウンセリングによる対応法

 

何十人という多重人格傾向の
クライアントさんとカウンセリングを
してきました。

あなたの相談室に来られたら、
どうしますか?

支援のポイントをお伝えします。

このような傾向のクライアントさんの
対応法を知ることは、
実は他のクライアントさんに
応用できるエッセンスが沢山あります。

だって私たちの中には
多くのパーツさんが存在します。

ある意味、私たちは全て多重人格なのです。

 

多重人格(解離性同一障害)の原因

 

この記事では「多重人格」と
書くことにします。

解離性同一障害は英語で
Dissociative Identity Disorder(DID)
と言います。

あまりDisorder、つまり「障害」
と呼ぶのは好きではありません。

この記事を読んでいくと
なぜ障害でないのかが伝わると思います。

 

はっきりと多重人格という状態になるには、
計り知れない、
苦しみがあると感じます。

繰り返される虐待、
特に性的虐待などが
原因になっていることも多いです。

それは、一つの人格では
受け止めきることができない
トラウマ的な体験だからです。

虐待体験では
記憶を飛ばすし、
苦しみを麻痺させる。

さらには、人格をも
変えてしまう痛みがそこにある。

 

 

独特な世界観、その特徴とは?

 

特徴と言っても、
人それぞれ違います。

私が心理カウンセリングの
現場で出会った方達の中には…..

人格によって、
視力が違ったり!

1つの人格だけが、
ある病気をもっていたり、、、

その他の人格になると
その症状がなくなるんです。

かかりつけの医者もびっくりです。
だって人格によって
病状の「数値」が変わるのですから!

 

 

それぞれの人格で….

好きな食べ物も違うし、
好む服も違うし、
付き合う人も違う。

お金の使い方も、
休日の過ごし方も、
仕事の内容も違う。

それはまるで
一つの体を
何人かで交代して
使っているかのようです。

 

 

解離性同一障害ではなく脳の可塑性という適応力

 

多重人格は、悲劇から生み出された、
人間のものすごい
「適応力」とも言えます。

言い換えれば、

「脳の可塑性」

だって人格が変わると病気が
なくなるんですよ。

アレルギーも
人格によって違うんです。

行動、思考、感情、
全く違うのです。

一人の人格で
性的な虐待を全て抱えたら
崩壊するからです。

日常生活を「普通」に送るために
痛みの部分を背負う
悲しくも、勇気ある人格がいるんです。

それは生きるための
サバイバル術。

不幸が作り出した、
人間の底力とも言えるかもしれません。

 

 

多重人格傾向の方との相談体験

 

今では、多重人格傾向の方の
カウンセリングの方法を
セミナーやオンライン講座で
教えていますが、

私が初めて
多重人格のクライアントさんに
出会ったのは、
カナダで臨床をしていた時代。

もうびっくりでした(笑)

その時は、その人が
「多重人格」って
言ってくれなかったから、、、

言ってくれないことも
よくあります(笑)

 

穏やかに話してたのに
いきなり、怖い顔になって、

「お前がセラピストか!」

って感じで言われたので、
ちょ~びっくり。

 

 

心の中では、、、

「へぁ?」
「多重、、、?」
「交代した、、、?」

表面的には
冷静さを保ってカウンセラーの
役割をやってましたが、

心の中では、もう動揺しまくり(笑)

 

今では、

「はい。初めまして」
「出てきてくださってありがとうございます」

って慣れた感じです(笑)

そんな経験から
どのようにカウンセリングを
進めていけばいいのかを
お伝えしていきますね。

 

 

多重人格(解離性同一障害)の初期対応

 

初期段階でどのように
進めていくのかをお伝えしますね。

まず、、、

「普通に話を聞く」

これですね。

普段、傾聴だけのカウンセリングを
批判しているのに、
話を聞くってどういうこと?

って思われたかもしれません(笑)

 

でも、状態を把握、
お互いに共有することは大事ですよね。

記憶はとぶのか?
どのような時に人格が変わるのか?
人格同士は、それぞれの存在を知っているのか?

などなど、

多くの多重人格の傾向にあるクライアントさんは
「そのこと」を相談できる
場所がなかったりします。

そして、なぜそうなるのか?
という「説明」が必要な時もあります。

心理教育の部分ですね。

まず頭で理解することで、
「自分はおかしい」
という認識が改善されることがあります。

そもそも多重人格って、、、
ある意味みんな多重人格です。

色々なパーツが
みんなの中にいますよね。

多重人格といっても、
そのパーツさんが
「多くの人と比べて」とっても、
自立している状態なだけです。

そのような見方も
あっていいと思っています。

 

 

多重人格と脳内会議で改善する

 

カウンセリングの現場では
人格同士に脳内会議を促すこともあります。

 

 

すでに日常生活で
されているクライアントさんも多いです。

だから、
何かを伝えた時、
心理教育をした時、
何かのワークを提案する時など、

みんなで相談してもらう。

まあ言ってみれば、
家族でカウンセリングを
受けに来ているという感覚と
思って頂ければわかりやすいかもです。

お父さんとだけ話して
勝手にカウンセリングを進めていかないですよね。

大事な部分では
みんなで会議してもらうのが自然です。

 

 

交代人格とスイッチングを活用する

 

人格が、ふと変わる瞬間があります。

例えば、セッション中に
不安が強くなってくると、
それに耐えられる人格に

スイッチングする。

他には、知的な理解が必要な場合、
それを得意としている人格に
スイッチングします。

得意分野は、その「人」に
任せる方がいいですよね。

この人格が変わる引き金を
理解していくことも大事です。

 

 

人格をある程度、
自由に変えられるスキルと言いますか、
能力を育てることができると、

生きづらさが
減るというわけです。

なぜ生きづらいのかと言うと、
それぞれの人格が

勝手な行動をするからですよね。

勝手にお金使いまくる(笑)

勝手にどっか遠くに旅行にいく(笑)

なので、それぞれの人格が
チームになって、
相互理解することが大事なのです。

 

ここから、その辺の対応方法を
お伝えしますね。

 

 

多重人格の方とのカウンセリングでの対応方法

 

もうちょっと支援のポイント
をお伝えすると、、、

人格と人格、
人格どうしの、、、

「対話をサポートをする」

7人いたら、、、
仲良くない人格たちもいるし、
無視しあっている人格たちも、
協力しあっている人格たちもいます。

その対話を円滑に
していくのもポイントです。

実は、みんな、
それぞれの役割を
ちゃんとこなしている
だけなんですよね。

「攻撃する人格」も、
実は、みんなのことを守って
くれているんです。

 

 

みんなのために。

それぞれの立場で頑張っている。

お互いに共通の目的、
ゴールを見つけて、

それぞれの立場、役割で
進んでいくことが大事になります。

 

実は、わからずに、
多重人格の傾向がある
クライアントさんとカウンセリングを
しているということもあるのではないでしょうか?

その辺にアンテナが立っていないと
クライアントさんも言い出せないです。

クライアントさんも自分の
多重人格の傾向に気づいていないこともあります。

心理カウンセラーも
気づいてないなんていう悲しいこともあります。

 

まとめ….

話を聞く。
心理教育。
人格たちの対話のサポート。

この辺が
最初の段階で大事になって
くることが多いです。

このテーマは、とても深くて
大事だと思っています。

 

 

ぽむ
僕の隠れた人格に気づいてなかったな〜(怒)

 

山口のぶき
まだまだ修行が足りませんでした!

 

ぽむ
まあ、今日の、おやつッを倍にするなら許そう(笑)

 

山口のぶき
(おやつのために嘘ついてるな……笑)