近年注目の
ソマティックエクスペリエンス(SE)の
エッセンスを紹介します。
海外には、
沢山のソマティックなアプローチがあります。
SEはその中の代表的な一つで、
日本に入ってきているということです。
なぜPTSD、トラウマ症状を減らすのに
革命的なメソッドなのか?
最後に、この療法でトラウマを
本当に解消できるのか?
などなどお伝えしていきますね。
コンテンツ
ソマティックエクスペリエンス(ソマティックエクスペリエンシング)とは?
ある意味、このトラウマセラピー業界に
革命をもたらしたメソッドの1つです。
なぜ革命的なのか?
従来のセラピーは
傾聴中心で、認知、言語レベルの
アプローチだった。
でも、それがトラウマを解放するのに
役に立たないことがとっても多かった。
そんな中、体でしょ。という流れがあった。
ソマティックエクスペリエンスの創始者はピーターリバイン博士
メソッドの創始者はピーターリバイン博士。
ピーターリヴァインと表記されることも。
先生が、トラウマを抱えた
あるクライアントさんとセッションを
やっていた時、
クライアントさんの反応をみていて、、、
急に、「走って逃げて!」
と直感で言ったんですね。
そしてクライアントは
その場で足をバタバタさせて
走ってるような動作をしたんですね。
そうすると、、、
体が震え出して、
その後に、物凄い解放が起こった。
今までに感じたことない安堵感、安心感。
余計なエネルギーが体から抜け出たような。
結構昔に、先生の動画を見た時に
そうおっしゃてたと記憶しています。
そんなこともあり、博士は野生動物の
行動にも注目しました。
なぜ動物は毎日危険な目に
あってるのに、トラウマにならないのか?
例えば、草食動物も
肉食動物に襲われそうになった後、
逃げ切った後、
ちゃんと体を震わせて解放してたんです。
そんな経緯があって、ソマティック
エクスペリエンスというのができていった。
なぜソマティック(体)な心理療法なのか?
そうなのです。体なのです。
トラウマにあうということは
身体に影響があること。
アドレナリンが放出して、
過覚醒になったり、
体が固まったり、感じなくなったり、
そのような体に影響することなので、
体に介入しないと
話になりません!
例えば、あなたが事故にあって
骨折したとします。
そこに介入、治療、働きかけないと
なんともならないですよね。
ただ、痛いですね〜。
辛いですね〜。
と共感したり、なぜ痛いんだと思いますか?
などと言葉のやりとりだけでは
限界がありますよね。
極端な比喩、例ですが、
ほんと、そういうことなんです。
ソマティックエクスペリエンスのやり方とエッセンス
SEのエッセンスは沢山あります。
体験的に学ぶことでもありますが、
いくつか大事だと思うことを
お伝えしていきます。
リソース
資源、強みがまず大事になってきます。
安全にセラピーをするにも
効果的にトラウマを解放するにも
リソースを構築することが
大事になってきます。
ただ、よくある勘違いを
お伝えしたいのですが、
リソースは、安心感を体で感じること
だけではないということ。
リソースって心地よい感覚、
安心感だよね。
という印象が強くて
そればかりにフォーカスしてしまいがちです。
人によっては、内側で感じるとか
そのこと自体が危険な状態におられる方も多い。
思った以上に
ゆっくり、丁寧にやっていく必要ありです。
ペンジュレーション
振り子という意味です。
ちょっとリソースを感じたら
ちょっとトラウマを感じる。
いったりきたり
まさしく、振り子ですよね。
臨床現場で、セッション経験を
積んでいきながら、習得するもの。
どのくらいの振り幅でいくのか?
どのくらいリソースを感じてもらうのか?
どのくらいクライアントの
有機性(自然なプロセス)を
大事にしていくのか?
どのくらい支援者が介入するのか?
この辺は、経験していかないと
文章でお伝えすることはできないと感じます。
まあ、リソースとトラウマは
コインの表裏一体みたいなことです。
大事なことは、ある程度、
リソースを構築してから
この「ペンジュレーション」を
やっていくということです。
自己調整
心理カウンセリングのゴールは
自分で自分を調整できること。
感情、感覚、行動を
調整することですよね。
落ち着かせることとも言える。
その自己調整力を、
まずは、セラピストと一緒になって
セッションで、「相互」調整する。
というのは、セッション中は
セラピストがペースメーカー的に
なってガイドできますよね。
覚醒してきたら、
落ち着くような促しをする。
言うなれば、マラソンのコーチ。
初心者には、水飲みましょう。
ストレッチしましょう。
ゆっくりのペースでジョギングしましょう。
ってガイドしてくれます。
支援者とクライアントが
一緒になって調整するのが「相互調整」
そのうち、一人でも
走れるようになってくる。
これが自己調整ですね。
相互調整をしながら、
自己調整を育てていくという流れです。
闘争逃走のエネルギーを解放
虐待やトラウマにあって
PTSD症状が出るという事は、
トラウマ時の、闘いたい、逃げたい
という衝動、エネルギーを
放出できていないという事です。
ある意味、トラウマセラピーというのは
その溜まったエネルギーを
解放することです。
例えば、トラウマ的なことを
感じている時に、
闘いたい衝動が出てくる。
セッション中、その衝動を「押す」
というワークをすることで
解放させる。
まあとってもざっくりとしか
お伝えできませんが。
アクションとしてやる時もあるし、
イメージの中でやる時も。
ただ、大事な事は、
この辺のエネルギーを解放するのは
セラピーの期間の中盤、
後半になることが多い。
もちろん、クライアントさんの
状態に深く関係してきます。
セラピーを長年続けていた方と
初めてセッションをする時に
いきなりこのような解放のワークを
することもあります。
ただ、多くの人は、
じっくり体の感覚を取り戻したり、
感情が出てきても
耐えれるような状態を作ったり、
リソースの構築が最優先になります。
デモセッションではやり過ぎ?
闘争逃走のエネルギーを解放する
ワークは、デモセッションとかでも
よくありますが、
ある意味、とっても派手で、
解放してる感があるので
わかりやすいんですね。
創始者のピーターリヴァイン先生の
デモセッション、何十と見てますが、、、
タイトレーションの法則が大事と
言いながら、
デモセッションになると
やりすぎてしまってるのも
たまにあります。
おーいピーター
やり過ぎだよ〜って思って見ています(笑)
タイトレーション!(少しずつ)ってね。
まあこの辺がデモと
現場の違いというのもあります。
派手な部分ばかり、
取り上げられるというか、
注目を浴びますが、
実は、丁寧にじっくり関わって
いくことこそが、
本当に効果なトラウマセラピーなのです。
タイトレーション
ちょっとずつという意味です。
何をするにもちょっとずつ。
以上。
終わってしまった(笑)
要するに、リソースを構築するのも
溜まったエネルギーを解放するのも、
ちょっとずつ。
ダイエットもやりすぎると
リバウンドするということ。
ソマティックエクスペリエンスの
ようなメソッドは、神経系に
働きかけること。
神経系は、繊細で、
振れ幅が大きいと、
ぶり返すんですね。
まるで振り子のように。
ちょっとずつ
確実に変化させていくのが大事です。
まあ、この辺の
概念やアプローチは
SEだけが大事にしている訳ではないです。
その他の多くのソマティックな
セラピーが大事にしていることです。
資格、研修やトレーニングは
SEのトレーニングは
毎年のように、日本で開催されています。
詳しくは、ググって頂けたら
出てくると思います。
3年間で、150万とか
交通費も入れると200万とかでしょうか。
海外の講師がきて
トレーニングを年に2回しているようです。
まあ理想は、毎月とか
2ヶ月の1回とか
定期的にやる方がいいと思います。
でも海外の講師、
1年に何回も来れないですよね。
SEの世界だけでなくても
心理業界は海外の先生が好きですよね。
日本人のトレーナーが
どんどん教えていってほしいと
思っていたりもします。
もしくは、日本人が革命的なメソッドを作って
海外の人が学びにくる、
海外でトレーニングをする、
それくらいのことをやってほしいと思ってもいます。
ソマティックなメソッドを
年月かけて習得するのも1つの選択。
もっと気軽に
さらっと学んでみたい方は
オフィスPomuのオンライン講座へ(笑)
ソマティックエクスペリエンスは効果的なのか?
結論からいくと、
万能ではない!
どのセラピーでも
1つでは万能ではありませんよね。
そして、SEから派生して
様々なメソッドが欧米では
出てきています。
より感情も大事にしたSE的なセラピーや
Organice Intelligence(OI)と言ったセラピーも。
この「OI」はハコミやボディーワーク、
SEなどのトレーニングを受けた人だけが
学べるメソッドです。
私自身も近年、
しっかり学ばせて頂きました。
まあ、色々出てきますよね。
新くてより洗練されたいいものが。
SEは言うなれば基礎。
応用編がたくさん出てきている。
多くの様々なタイプのクライアントさんに
カスタマイズするのがセラピーなので、
メソッドは多くあった方がいいですよね。
支援者の方にお伝えしたいのは、
SEできるから、大丈夫というのは
幻想です。
誤解しないで欲しいのは、
SEはトラウマを解放するのに
革命的な素晴らしいメソッドの1つです!
ということです。
と言っても、まだまだ、ソマティックな
アプローチは支援者全体の
5%にもみたいな状況。
支援者を広い定義にすると、
例えば、心理士だけでなく、相談員、
精神科の医師なども含めると、
1%もいないです。
ソマティックなアプローチが
広まることを願っています。