愛着の「回避型」を改善するトラウマセラピー

 

ぽむ
回避する? 逃げたもんガチだ〜。

 

山口のぶき
ぽむ~。今日も激しかね〜。

 

ぽむ
お〜! 嫌なものは、さ、け、るっ!

 

 

今回は第3幕から構成されています。

第1幕
愛着パターンにおける「回避型」の対応法とは?

第2幕
そもそもなぜ人は回避するのか?

第3幕
「愛着の回避型」と「神経システムのシャットダウン」

臨床現場において
相談者の「回避する傾向」に対応することは
とても大事です。

その部分を大事できれば、
心理セラピーの継続や、
効果的な改善に繋がります。

 

愛着パターンの回避型とは?

 

さあ、第1幕の始まりです。

愛着とトラウマの
世界的第一人者でもある

ダイアン プール ヘラー先生の
知恵もご紹介。

 

 

その対応法とは?

まずは、ちょっと復習です。
愛着のパターン
4つありますよね。

安定
回避
アンビバレント
D型

愛着ってなんですか?
この4つのパターンって何?
という人は、
こちらの記事からどうぞ。

⬇︎

トラウマセラピーには愛着(アタッチメント)の視点が必須

 

 

愛着の回避パターンは方は、
とにかく全て自分で解決します。

人とあまり深く関わらない。
自分のストレスを解消するのも

自分一人でやる。

「ひとり」で映画。
「ひとり」でお酒。

人と深く関わることが
苦手なので避けます。

避けます。
酒ます。

なんてね(笑)

恋愛や結婚していても、
親密に愛情を交流することを
避ける。

仕事で忙しくしている人は
そういう部分があることも多いと
実感します。

人に相談とかしないし。

 

愛着とトラウマの専門家ダイアン先生の知恵

 

ダイアン先生は言います。
そのような回避する傾向は

「深く身体記憶に刻みこまれている」

だから、
人と関わることが大事とか
頭レベルでアドバイスしても効果がない。

身体の記憶にこびりついてる。
無意識に回避する。

身体の記憶なので
その辺にアプローチする必要があります。

 

回避型のクライアントさんは、
「自分一人でやってきて、問題ない!」

そう思われてる方も多いです。

なので支援者は
回避パターンを
「変えないとダメなこと」
みたい関わらないことが大事です。

だって回避してきて
自分で頑張って
人生をやってきたんだから。

まずはその辺のことを承認する。

でも、回避し続けてきたことで
行き詰まっているから
カウンセリングに来られるわけですよね。

 

 

愛着の回避傾向にあるクライアントへの対応

 

回避する背景には
「安心がない」ということがあります。

奥深くには「怖い」がある。

なのでそのような傾向の方と
セラピーをする時は、

安心、安全が大事ですよね。

安心と言っても
理想の場所をイメージして感じる
とかよりも、

支援者自身がクライアントにとって
安全な基地となる。

 

 

理想の親みたいな役割を
になっていく
という流れもあります。

そうすることで
ちょっとずつ回避傾向の
クライアントは探求できるわけです。

ちょっとずつ
人と繋がることを探求していける。

まるで3歳のこどもが
ちょっと探求したら母親の存在を確認して、
またちょっと探求するように。

 

クライアントさんに
まず奥さんの顔をみて
愛してるって言ってみよう!

もちろん最初から
こんなアドバイスは地獄です(笑)

逆効果です。

買い物に行った時に、
定員さんに
「探している物の場所をちょっと尋ねる」

その辺からやっていく。

でもこれもハードルが高いかな(笑)

とにかく、
ちょっとずつチャレンジしていくこと

大事ですよね。

そんな、微細な、
絶妙な関わり方を
ダイアン先生から頂いた気がします。

愛着の回避型の視点、
本当に大事です。

ここからは、
回避ということ自体を
探求していきます。

 

 

なぜそもそも人は回避するのか?

 

さあ第2幕の始まりです!

海外のプログラムで
学んでいると
役に立つ情報が多いです。

その中で「回避」について
興味深かったのでお伝えします。

回避(avoidance)というやつです。

大事なテーマです。

トラウマを抱えた人も
支援者でも、
何かあると「避ける」こと

ありますよね。

なぜだと思いますか?

そりゃ、
こわいからですよね。

でも、もうちょっと
掘り下げていきましょう。

 

そもそも多くの場合
生命の危機があるわけではないのに
なぜ「怖い」のでしょうか?

そんな時に
ポリヴェーガル理論のポージェズ博士が言う。

予測性(Predictability)だよ。

何かに取り組もうと思った時、
どれくらい予測できるのか、
ということ。

例えば、一般的には
「よし、近くのコンビニに行こう」

怖い!
回避しよ!

って思わないですよね(笑)

だって
ほとんどが予測範囲内です。

予測が出来ないと
回避することが多いということです。

 

もう一つは、新しさ(Novelty)

新しさというのは
経験したことがないという意味です。

例えば、
タンザニアのお店にお買いもの〜♪
に行くとします。

 

 

ある意味
旅行気分でルンルンかもだけど、

現地に行くと
ちょっとは緊張しそうです(笑)

近くのコンビニに行くのとは
大違いですよね。

だって予測しにくいし、
新しいことだし。

 

なので、回避ということを理解するには
どれくらい予測できるのか?
どれくらい新しいことなのか?

この辺を参考に
臨床することが大事です。

では、どのようにすれば
回避とうまく付き合えるのか?

 

 

愛着からくる回避を改善する方法

 

嫌なことは
避けてもいいですよね。

でも回復や成長のために
新しいことに
挑戦する必要がありますよね。

回避ばかりでは
うまくいかないです。

どうしましょ(笑)

 

そうなのです。
予測出来なくても
新しいことでも、無理やり

えいやっ!
って進めばいいんです。

ホンマかいな。

こんなやり方は、
美しくないですよね(笑)

体を無視して
無理やりやってる感じ。

成功してるけど
体ボロボロかもしれない。

 

そんな時、ポージェズ博士が
ヒントをくれた。

「回避の奥にある身体の反応だよ」

身体の反応。

やっぱりそこか〜(笑)

まずは回避している自分の
体の反応をちゃんと感じること。

認めること。
気づくこと。

そして、
ゆっくり息を吐く。

 

 

それらをすると
身体は落ち着いてきます。

 

まず回避の身体反応を感じること、
大事です。

そんなところから
はじめていくのはいかがでしょうか?

最終的にはカウンセリングを通じて、

本当に嫌なことを
「回避」できるようになる。

そして、本当に大事なことを
「回避」しないですむ。

なんか今、とても大事なことを
サラッと言った気がします(笑)

あなたは、回避とどのように
付き合ってますか?

最後に、
心理セラピーの現場では
どのようにやってるのか?

その辺を伝えていきますね。

 

 

愛着のテーマである「回避」と神経システムの「シャットダウン」

 

さあ第3幕の開始です!

回避する傾向にある人は
保守的です。

例えば、何かのワークを提案しても
乗り気ではない。

変化が怖い。
今のままいたい。

日々の生活でも
色々実践しようとしない。

 

 

その背景には
愛着パターンの回避
ということもありますが、

神経システムが
シャットダウンする傾向がある
ということも関係している。

解離、シャットダウンが
強いクライアントさん
どうすればいいと思いますか?

 

1年の総合トレーニングに
参加している人であれば、

わかりますよね?

えっ?
すぐに出てこない?(笑)

 

 

シャットダウン(解離)傾向の方とのトラウマセラピー

 

1つの効果的な方法が、

「座らないこと」

えっ!?
どういうこと?

 

「立って」セッションをするということ。

お〜、
そうだった、そうだった。
忘れてた。

わ、忘れてた〜?
ということは実践してない(笑)

 

今やってみませんか?

立った時の感覚と
座った時の感覚の違いを体験してみる。

そうそうこんな風に。

立ってみた ⬇︎

 

座ってみた ⬇︎

 

立ってみると
ちょっと覚醒するというか
集中しますよね。

座るとその逆です。

シャットダウンの傾向がある人は
椅子に座ると
解離しちゃいやすいです。

 

想像してみてください。

イノシシが近くにいるとわかった時、

座りますか?
立ちますか?

座ってたら
即、立ちますよね。

立った方が逃げたり
戦ったりできるからです。

決して背を向けて
慌てて走らないでくださいね。

追いかけられます(笑)

最近また、家の近くで
イノシシに遭遇!

犬たちと散歩してる時、
10mくらい向こうで
イノシシ親子が猛スピードで
走ってました。

ちょ〜怖かったです。

うちのワン達の
散歩中だったので

守らないと!ってなります。

 

話がそれてきた〜(笑)

要するに、
立っている方が
すぐに戦える状態だし、
自分の身を守りやすいのです。

そして、シャットダウンとか
離人感とか、
解離しにくくなるということです。

 

 

パットオグデン先生のトラウマ療法

 

支援者の方は
ソマティックなセラピーをやってたり、
興味を持っておられるかもしれない。

身体志向だから
「では〜、体に意識を向けて〜」みたいに。

でもこれは
シャットダウン系の
クライアントさんには

逆効果です。

そこで、トラウマと身体の
パットオグデン先生。

先生はこう言われます。

「体」という言葉を使うと、
よりシャットダウンしやすくなります。

 

さすが先生!

体って言葉は
結構、強烈ですよね。

 

 

ソマティックな
アプローチをする時にも、
「体」とか言わずに、
シャットダウンしそうな方は、

ちょっと散歩してみませんか?
ちょっと立ってみませんか?

という促しだったりが、いいのかも。

体と言わなくても
体に意識を向けてもらう工夫が
大事なのです。

体にアクセスする前に
やることが沢山あるのです。

出来るだけ刺激を避けて
安全に探求するための知恵ですね。

 

まとめ

愛着パターンの回避型は
ちょっとずつ人と関わることをする。

回避の背景には怖さがある。

回避とは神経のシステムが
シャットダウンすること。

ぜひ、立ってセッションを
やってみてくださいね。

 

 

 

ぽむ
避けてばかりではダメ。僕も成長したい….

 

山口のぶき
そうそう。ちょっとずつね。

 

ぽむ
おっ〜! 一気にチャレンジだ〜!!! でもその前にオヤツちょうだい!!!

 

山口のぶき
全然人の話聞いてない〜(笑)