統合的アプローチと折衷的な心理療法|効果的に組み合わせる方法

 

さぁ、今回もはりきっていきましょう! な、なんだこのテンション。

さっき、久しぶりに早い時間からご飯食べて、血糖値が上がってるな(笑)

折衷的な心理療法。統合的な心理療法。心理士なら聞いたこともありますよね。

1つや2つのアプローチだけで効果的な心理セラピーが提供できないことは当たり前ですよね。

たくさんの心理療法を使いこなしたり、組み合わせることは必須です。でも簡単ではないのです。

折衷的、統合的、この2つの違いを明確にして、それぞれを現場で効果的にやる時の大事なポイントをお伝えします。

 

まずは動画からどうぞ。

最終的に、この2つの心理療法を組み合わせると最強、というのがわかります。

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折衷的と統合的な心理療法の解説と違い

 

1つのアプローチだけでなく、いくつも組み合わせて、色々やりまっせ〜ということ。

でもこの2つ、全く違うものです。

 

折衷主義とは

折衷(せっちゅう)的な心理療法は、状況に合わせて、効果的なアプローチを「選択」するのです。

例えば、強い不安には認知行動療法!

田中さんには体のアプローチが合うから、センソリーモーター心理療法! というように。

5セッションを〇〇セラピー。その後、10セッションは〇〇を使う。というのもあります。

要するに、基本、私は和食よ。でもしばらくは中華にハマってるわ、的な(笑)

和洋折衷、なんて言いますよね。

 

統合的なアプローチ

折衷的に対して、統合的な心理療法とは?

認知行動療法も、ソマティックエクスペリエンスも、EFTも、EMDRも、

色々混ぜて使いまっせ〜。なんか色々混ぜて、いい感じにカウンセリングやるのです。

例えるならこんな感じ。レストランのシェフに聞くんです。

「このお料理は何のジャンルですか?」

「うちはノンジャンルだよ」「創作料理だよ、はっはっはっ」

なっ、なぜ偉そうなのだろう?(笑)

 

まとめると、いいのを選んじゃう折衷主義。

いい感じに混ぜ合わせちゃう統合主義。

でもですよ! 実は! 落とし穴があるのです!

押させておきたい大事なポイントがあるのです。

しっかりやらないと、長い目で見ると遠回りしてしまいます。1つずつみていきましょう。

 

 

折衷主義的なやり方を効果的にやるには?

 

英語では

Eclectic(折衷的)

Eclecticism(折衷主義)と言います。

これを心理療法でやるのに、どんなことが問題になると思いますか?

こう聞けばいいのかな。あなたは、、、現場でやってます? やれそうですか?

 

① 折衷的なアプローチはつまみ食いになる

こどもの頃、晩ごはんの前に、、、「お腹すいた〜」

テーブルに並びはじめたものを、ちょっと一口。

うまい! ちょこっとだけ食べるから美味しい!

「つまみぐいになっている、、、」

なんのこっちゃ。説明していきますね。

 

つまみ食いというのは、色々ちょっとずつだけ学んでいる、ということ。

〇〇セラピー。「本2冊読みました」

〇〇心理療法。「2日間の講座に出た」

〇〇アプローチ。「3ヶ月学びました」というのがほとんど。

つまみぐい的なのです。

でもこう言われるかもしれない。「しっかり5年くらい、〇〇療法は学びました」

そうだとすると、その〇〇療法を使うカウンセラーということに。

折衷主義ではなくなります。プラスでちょっと色々やれるかも、くらいですよね。

折衷的にやるには、多くのセラピーを使いこなす必要があるのです。

多ければ多い方がいいですよね。

 

② 膨大な時間がかかる

だから、、、折衷的にやるには、「膨大な時間が必要なのです」

1つのセラピーをマスターするのに、2年かかるとします。

10個マスターするのに、なんということでしょう!

20年かかるではありませんか!!!

ま、ちょっと大袈裟に言ってます。

複雑なセラピーはしっかり習得して実践で使えるには、5年とか、かかりますよね。

でも、比較的、テクニック的に、使えるものもありますよね。まあでも、時間と学びが必要なのです。

 

③ どのアプローチを選べばいいのか?

最後もう一ついきましょう。

折衷的にカウンセリングをうまくやるには、、、最適なメソッドを「選ぶ」必要がある。

これがマジ難しい!

うつの人には何を使います? パニックの人には? 佐々木さんの状態で、PTSDの人には?

 

 

〇〇には〇〇が効く? そんな効果測定の研究をほどんど把握していますか?

だから、クライアントの要因、悩みの内容、セラピストの要因、効果測定の研究結果、様々なことが関係してきます。

何が効果的なのか、どのように判断するのでしょうか?

もちろん知識、経験、データ、体感覚など、全て動員して判断するのですが、難しく感じる人も多いのではないでしょうか。

 

なんか否定的なことばかりに聞こえるかもしれません。

厳しく聞こえるかもしれません。

世の中、完璧なものはない。ただただ、勘違いしないでほしいのです。

少しでもより効果的にやってほしいのです。そう願っているから、、、

今回の内容が考えるきっかけになればと思っています。

やれる範囲でいいですよね。みんな支援者さん、頑張ってるの知ってます。

つまみぐいだって、食べ続けたら、、、

お腹いっぱいになります(笑)

 

 

統合的心理療法の落とし穴

 

統合的な心理療法を効果的にやれたら理想です。失敗しないためには?

 

① ジャイアンのシチュー?

突然ですが、「ジャイアンのシチュー」聞いたことありますか?

作り方はこうです。

ちょー大きな鍋に、ひき肉をドーンと入れる!

そして、たくわんを、ポイっと入れる!

塩辛も、入れちゃう!!!

まだまだ〜! ジャムを投入。煮干も、ほーりこむ。

まんじゅう、、、うおりゃ〜と投げ入れる!

その他にも色々入ったシチュー!

煮詰めていくと色はなんと、、、むらさき色!

愛犬ムクも、あまりもの臭いに気絶!

のび太やドラえもん達も、食べさせられそうになって、ビビリまくり。

 

そんな「ジャイアン シチュー」みたいなことに、なってませんか?

色々な心理療法を混ぜて、なんとなくやる。ぐちゃぐちゃなのです。

告白すると、私自身もむか〜し、あります!

なんか色々混ぜ合わせて、、、なんか、うまくいかない。

ジャイアン シチューまではいかなくても、なんかまずいスープ。

 

 

そんなことになっていたカナダ時代。

クライアントには失礼なことをしてしまいました。

こんなこともありました。

自分の得意なやり方だけでやって、たまたま最近学んだことをなんとなく組み合わせて使う!

もうゴチャゴチャです(笑)

そうなってほしくなくてお伝えしています。

だから、統合的な心理療法をなんとなく、気軽にやろうとすると、失敗しやすいのです。

 

ジャイアン シチューの話。最後はどうなったのか、、、

みんな食べさせられるとビビリまくって、、、

でも最初にジャイアンが、味見をすることに。

食べたら、そのままぶっ倒れて、病院送りに、、、

最後は、自分に返ってくるのです(笑)

 

② ハードルが高い

時間もかかるし、試行錯誤でやりながら作っていくのが統合的な心理療法なのです。

テキトーに組み合わせると、テキトーなものしかできない。

何と何を組み合わせていくのか?

目の前のクライアント、支援者、その他の要因を諸々考慮して見えてくるものもあるでしょう。

それなりに時間をかけて作っていく姿勢があれば、失敗する確率を減らせれると思います。

全く1から試行錯誤して作っていきましょう、ということでもありません。

ある程度、王道の組み合わせを経験値として知っている人に教えてもらえばいいですよね。

 

③ どんな心理療法を組み合わせると効果的なのか?

様々な心理療法がある中、どのように統合したり、組み合わせていけばいいのでしょうか?

結論からいくと、組み合わせやすいものと、組み合わせにくいのものがあります。

食材で言う、食べ合わせがいいのもと、食べ合わせが悪いもの、みたいなことです。

例えば、ナスそば。

これらは食べ合わせが悪いようです。両方とも体を冷やすものだそうです。

体を冷やし過ぎないように、体を温めるものも混ぜるといいようですね。

ジャイアンシチューみたいに、まんじゅうと塩辛、、、の組み合わせ(笑)

 

心理療法でも、どんなものとも組み合わせやすい、ある程度万能なものもあります。

まず野菜で解説していきますね。どんな料理にでも使える万能野菜があるのです。

沢山の野菜ありますよね。何だと思いますか?

 

 

ネットで検索したら、、、1位は玉ねぎ。カレー、肉じゃが、餃子、野菜炒め、多くのものに入ってますよね。

私はニンジンとか上位だと思ったのですが、7位。

ちなみに2位は、もやし。3位はキャベツ

1位の玉ねぎは、心理療法でいうと、ソマティックなアプローチなのです。

基本となってくるアプローチですね。

トラウマ的な症状もそうだし、心の健康度が高めの人もソマティックなアプローチは万能的。

組み合わせやすいという意味での万能という意味です。

それ単体では万能ではありません。

 

それにうまく合わせていくのが、パーツ心理学。

どれにでも当てはめれるので、料理でいうと塩、醤油、もしくは「お米」みたいなことです。

玉ねぎ炒めてご飯を入れてチャーハンでもいいですよね。

ソマティックパーツ心理学ソマティックパーツ心理療法。

これでいい感じのチャーハンにはなるけど、もっと美味しくしようと思ったら、胡椒、ニンジン、キノコなんかも入れるとさらに最高に。

だから、ソマティックとパーツ心理を合わせて、その他の色々を状況やタイミングなどをみてブレンドしていく、、、

チャーハンだけでなく、その他の料理も作っていきたいですよね。

それを微細な部分にもこだわり、アーティスティックにやれた時、新たな景色が見えるはずです。

 

 

本当の統合的心理セラピーとは?

 

そもそも何を提供するのか、というのは「メソッド」にしか過ぎません。

クライアントと一緒に共同創造して、一緒に育てていくのが効果的なのは言うまでもないですよね。

そんな中でも、統合的なセラピーをより効果的に提供するからこそ、その共同創造がしやすくなると思ってもいます。

パーツとソマティックとか、その他のものを色々組み合わせる経験や能力を持つことが貴重です

なぜならば、その経験が「心理セラピストの資源」と「クライアントの資源」を組み合わせて協力していけることに繋がりそうです。

本当の統合セラピーとは、心理セラピストとクライアントの「ありとあらゆるもの」を混ぜ合わせていく作業なのだと考えると興味深いですね。