ソマティックなロールプレイ|トラウマ解放

 

こんにちは、総合トレーニング参加者の水澤です。

あなたはロールプレイ(練習セッション)をしたことがありますか?

この記事では、ロールプレイがなぜ必要なのか?

トラウマが解放されたロールプレイの体験とは?

苦いロールプレイの体験から学んだことは?

オフィスPomuでの1年コース(総合トレーニング)での経験をお伝えしていきます。

 

演技という意味のロールプレイ

 

言葉の説明をすると、「role=役割」と「play=演じる」ですね。

つまり、カウンセラー役、クライエント役、を演じることです。

私が初めてロールプレイをしたのは学生の時でした。

選んだのは思春期こじらせ系中学生の役です。

思春期の感覚ってこんな感じだったなと思い出し

意外に自分って俳優魂あるのかも、なんて思いました(笑)

ロールプレイ後は録画して、後で見ながらあーでもない、こーでもないと話し合ったものです。

これは演じる、というロールプレイです。

それとは別に、練習セッション、というロールプレイもあります。

2人ペアになってリアルに目の前の人のテーマを扱うのです。

 

 

ロールプレイのメリット|練習

 

誰でも始めは初心者です。

だから臨床に出る前に、ある程度実践しておくことは大事です。

先ずは支援者として慣れるためにロールプレイをしますよね。

ペアになっての練習です。

 

 

だって練習をしていたにも関わらず、

私の最初のケースはド緊張でした。もう何年も前のことです。

その時の震えを今でも覚えています。

「どうしよう、聞かれたことに答えられなかったら」ぶるぶる

「どうしよう、役に立てなかったら」ぶるぶる

完全に矢印が自分に向いていたのでした。

有難いことに、このクライエントは2回目以降も継続してくださいました。

もしロールプレイ(練習)をしていなかったら、もっと緊張していたでしょう。

そう考えると、支援者として現場に出る前に練習セッションが必要です。

 

 

ロールプレイのメリット|スキルの習得

 

一つ一つスキルを練習できるのがロールプレイのいいところです。

細分化して1つだけのスキル「だけ」を意識して練習するメリットを実感しています。

正直一度に3つも5つも新しいことを意識してやるのは難しいです。

ソマティックなアプローチに不慣れな人が、クライアントの動き、感情、言語、表情、という微細な反応を観察しながら、

支援者自身の丹田に意識を向けて、自分の感情や感覚を観察し、〇〇というワークを一緒にやっていく⋯⋯

これ、かなり無理があると思いませんか?(笑)

新しいことであればあるほど、1回の練習で1つをのことを意識するのがやりやすいです。

もちろん3つとかも意識できますが、習得するという意味では、慣れるまでは1つずつがいいような気がします。

 

 

ロールプレイのメリット|フィードバック

 

練習セッションのメリットの1つは、その場でフィードバックが受けられることです。

クライアント体験をした人に、すぐに感想をもらえます。

トレーナーにも入ってもらって、その場でフィードバックをもらえます。

ある時、私が支援者ロールで練習セッションをしている時、

山口さんが絶妙なタイミングで言われたのです。

「水澤さん、今何を感じていますか?」私はハッとなり、時が止まりました。

私の今の感覚ってなんだっけ? というように自分に意識を向けました。

そうすると、クライアントばっかりに意識が向いていたのです! 自分を全く感じていなかったのです。

自分はそこにいなかった感じ。理想は、自分を感じながら相手を感じるのです。

これ以外のことでも、山口さんに何度も色々なことでハッとさせられています(笑)

 

 

ロールプレイという練習と支援の現場の違い

 

ロールプレイという練習と本番である現場は違うのです。

「違うと意識」しておくのが大事なのです。

ロールプレイはあくまでも練習です。

そこでうまくやれていても現場では苦労するのです。

練習セッションでうまくやれて勘違いしてしまわないことを心がけています。

現場を知っている人が練習セッションを設計するから、いい練習にもなるのだと思っています。

伝えるのが難しいのすが、細かいところが違うのです。

練習前の講義だったり、練習後のフィードバックだったりも含めてのことです。

「現場のための練習」というのと「練習のための練習」この違いかと思います。

少しずつですが、習得したことを現場で使えるようになっている自分がいます。

 

 

安全な場を作る大切さ

 

練習セッションって意外に緊張しませんか?

クライアント役が経験豊富な心理士さんだったりする時もあります。

自分のカウンセリングを披露するという感覚にもなりますよね。

さらには講師(トレーナー)がすぐ横で見てるではないですか!(笑)

緊張して余計にうまくできない。

しかも新しいスキルを試そうと慣れないことをしているのです。

だからこそ安全な場づくりが必須なのです。

そして、失敗しても大丈夫という雰囲気などもありがたいのです。

そんな環境だったからこそ、楽しくも、効果的に学べたんだと思っています。

ここからはロールプレイにおける

クライアント体験のことについて伝えていきますね。

 

 

トラウマが解放された体験

 

総合トレーニングで、練習をセッションやった時のことでした。

私自身のリアルなトラウマ体験をテーマにしました。

今まで体験したことがない、段違いの体験でした。

テーマは転んだ体験です。

 

 

忘れていた数々の感覚がよみがえってきました。

ここからは当時の体験をスローモーションでお付き合いください。

 

身体がカタムイテいく…

転ぶ直前の光景

転んでいく時の身体の緊張

転んだ時の身体の体勢

その時周りに見えたもの

その時の感覚…etc

 

合間、合間でカウンセラー役からの、声かけやサポートがあります。

ロールプレイを終えたら…

トラウマが解放されていました!

転倒時の嫌な感覚がなくなっていたのです。

この体験から2つの気づきがありました。

 

 

① 身体はトラウマを記憶している

 

特に大きな傷を負った訳ではない、ちょっと転んだ体験でした。

でも身体は記憶してたのです!

転んだことを思い出すと、身体の特定の部分が緊張しました。

肩、腕、足などです。

それと共に、心臓がギュッとなるような感覚もありました。

何十年前の身体の反応が残っていて、正直驚きました。

そんな「身体の声」に気づいたことは大きな収穫でした。

 

 

② トラウマが癒された

 

短い練習セッション1回で、転倒した時のトラウマが解消されたのです。

そう心と体で実感できたのです。

数日後に実際に転倒した場所へ行ってみたのです。

なんと身体が全く反応しませんでした。

セッションの後も、ココロとカラダが軽くなりました。

軽くなったので、仕事もプライベートも、行動力が増えました。

今まではトラウマの傷を抑えることにエネルギーを使ってたと言えそうです。

通常の演技のロールプレイとソマティックな練習のロールプレイは全く違うという体験が出来ました。

全て自分のためになっています。

それが回りまわって結局はクライエントのためになっていくのです。

私にとっての貴重な体験を、もう一つ伝えさせてください。

 

 

ロールプレイでの苦い体験から得たもの

 

トレーニングでクライエント体験をした時のことです。

私のリアルな「不快な感覚」をテーマにしたかったのですが、

なぜかどんどん違う流れに(笑)

「セラピストは私がどうしたいか聞いてくれない!」

「何てこと!」

私の中に、「イヤだと言っているパーツ」がいました。

「そうじゃないよー」

「言いたいことを聞いて欲しいよー」と言っています。

でも一方で、セラピストが一生懸命に関わってくれることも伝わってきたのです。

 

私の中から「いい子ちゃんのパーツ」が出てきました。

「ここは相手に花を持たせよう」と思ったのです。

 

 

セッションなのだから相手の顔を立てる必要はないのですが…

結局、私の中のいい子ちゃんが主導権を握りました。

そしてセラピストから言われるままにセッションが進んでいきました。

本当はお寿司が食べたかった。

でもカレーをすすめられて、カレーを食べた、という感じ。

 

このセッションを受けてどうなったか?

結果、それなりに楽になりました。

カレーも意外と美味しかったなという感じです。

自分の思うように進められなくて居心地が悪かったけれど、

半信半疑でもついていってよかったかも、と思いました。

 

でも、一方ではやっぱり居心地悪さを体験した部分も残っているわけです。

完全には納得できていない(笑)

この少し苦い体験が、とてもよかったのです。

なぜなら、これはクライエントが日々体験しているであろうことだから。

きっと、このような「居心地の悪さ」をクライエントにもさせてしまっている。

そう分かりました。

 

ちなみに、この時感じた「不快感」はロールプレイ終了後にセラピスト役にフィードバックしました。

これもまたロールプレイの良さですね。

通常のカウンセリングだったら、クライエントは教えてくれないでしょう。

最悪の場合は、次のカウンセリングがキャンセルになってしまいます。

だから練習セッション時のフィードバックはありがたいのです。

すぐに感想をもらえるので、学びになるのです。

 

 

ロールプレイで役に立つ心理セラピストになる

 

ロールプレイという練習セッションで得たものは多くあります。

そのうち3つを挙げると、

● ロールプレイで実践練習ができた

● ロールプレイでトラウマが癒された

● ロールプレイでクライエント気持ちがわかった

私はクライエントの役に立てるセラピストでありたいと思っています。

そのための貴重な体験を積んでいます。

ロールプレイという練習セッションの経験を積むことは、骨組みからしっかりとした家を作っている、という感じです。

外から見てステキな家でも、ちょっとしたきっかけで壊れる家は悲しいですものね。

 

大げさですが、どんなロールプレイをするかでその後の人生に違いが出ると思います。

私は言語中心のカウンセリングから入ったので、その違いがより分かります。

初めからソマティックをやっていたら、最初のケースの時に、あんなにふるえなかっただろうな(笑)

もっと効果的なセッションが提供できただろうな、と思います。

 

 

(おまけ)ZOOMでも実践的なロールプレイを体験できた

 

実はこの体験、全てZOOMでのことです。

総合トレーニングはZOOMでも実施されています。

上記の練習セッション(ロールプレイ)もオンラインです。

 

 

この数年、世界中で非接触が進み、カウンセリングもオンラインですることが増えました。

私はこうなって初めてオンラインを導入しました。

2020年3月 緊急事態宣言が出されて「もうやるしかない」という状況になりました。

 

でも始めは、オンラインでどのくらい効果があるのだろうか。

うまくコミュニケーションが取れるのだろうか。

と疑うココロがありました。

対面で研修を受けたときもありますが、ZOOMでも効果は変わりませんでした。

これは私にとって嬉しい発見でした。

自分が経験したことで、自信を持ってクライエントにもオンラインでも提供できるようになりました。

 

あなたはソマティックな「練習セッション」にご興味ありますか?