セッションが終わったあとも、なぜか相談者のことが頭から離れない。
なかなか変化しない相談者に、自分のやり方が間違っているのではと不安になる。
セッション中、「ちゃんと聞かなきゃ」モードになって、終わったころには疲れてる。
そんな経験、ありませんか?
対人支援の仕事をしていれば、誰もが一度はぶつかる悩みです。
このシリーズでは、現場でよくある「あるある」を取り上げながら、
それぞれに小さなヒントを添えていきます。
「自分だけじゃなかったんだ」と、少し肩の力が抜けるきっかけになれば嬉しいです。
コンテンツ
セッション後もクライアントのことを考えてしまう人へ
家に帰ってからも、なぜか相談者のことが、頭から離れない。
これって疲れるよね~
昔カナダで働いていた頃、家に帰ってからも
相談者のことを思い返していることがありました。
例えば、ポムと行くいつもの散歩コース。
30分が気づいたら終わってる。
ポムが可愛いなとか、全然考えてない。
カナダの大自然を感じてない(笑)
ぼーっとしながら、頭の中では、セッションのことを思い返してる。
今思えば、ポムに申し訳ない(悲)
でも、しっかり考えているわけではないんです。
まるで出口のない迷路を、ただ、ぐるぐる歩き続けているような。
答えが出ないから、いつまでもスッキリしない。
ただ、その相談者のことを、思い返しているだけ。
生産性もない、そんな時間。
それとは別に、時間を取って、振り返ることもしていました。
隣の部屋にいる師匠のドンさんに話すと、
「それって、こういうことだよね」
「こんなふうにしてもいいかも」
私のために特別に、1時間くらい丁寧に、付き合ってくれることも、よくありました。
最初の頃は週に何度も相談してたんですよね。
しつこいくらい(笑)
でも、それがとても学びになりました。
あの1時間が今の私を作ってくれました。
そういう前向きな振り返りは、成長にもつながります。
時間が許すときに、SVを受けたり、自分で振り返るのは、いいですよね。
でも、ただただ思い出すだけの反芻は、それとは違います。
出口のない迷路を、ただ歩き続けるような感覚。
休日も、仕事以外の時間も。
気づけば、そのことを考えている。
休んだはずなのに、休んだ気がしない。
もし今、そんな反芻をしていたら……
それは、実は、あなたのせいではないかも~
その理由については、お話しします。
休日に、相談者を思い出してしまう理由とは?
普段、休みの日は、しっかり休めていますか?
それとも、ふと気づいたら仕事のことを考えることありますか?
ここからは、休日にも関わらず相談者のことを思い出してしまう理由を解説します。
思い出しちゃう理由、それは……
相談者と支援者、両方の関係性の中で起きるのです。
私にも昔、こんなことがありました。
その相談者とは、最初は、順調でした。
その相談者から自分の状況を書いたメールが届き始めました。
どんどん長文になっていった。
論文かよ!というくらいの(笑)
しかもどんどん増えていく。
週に数回、届く時も(笑)
そして、次回のセッションで、「ちゃんと伝わってますか?」
みたいに内容も確認される。
もう恐怖だったよ〜(笑)
私は何年も、全部真剣に読んで、丁寧に返信していました。
断ったら悪い。しっかり対応してあげなきゃ。
私にはそういうテーマがあったのです。
相談者には、過覚醒で落ち着かない、もっと自分を見てほしい、
そういうテーマがあったのです。
だから、相談者の「もっと見てほしい」というテーマと、
私自身の「断れない」というテーマ。
その両方で影響し合ってたのです。
当時の私は、メール返信し終えたあとも、
なぜかその人のことを、何度も思い出していました。
それはボタンを、押されていたからです。
もし、あの時、「事務連絡以外のメールはご遠慮ください」
そう伝えていたら、そもそも、ボタンを押されなかったのです。
でも、当時の私は、それを伝えられませんでした。
そういう関係性だからセラピーは少しずつ行き詰まっていきました。
今では懐かしい思い出ですが、当時は辛すぎました(笑)
セッションとセッションの間に、仕事のことを思い出さないヒント
もちろん理想を言えば、ボタンを押されても、揺らがない自分になっていくことです。
うちのポムを見ていると、いつもそう思います。
ボタンを押されても、まったく動じない。
なぜなら、押されるボタンが、そもそもないから。
だって「ポムはセラピー犬としてオヤツばっかり食べて失格だよ!」
そう突っ込まれても、こう対応します。
楽しそうに⋯⋯「ワン!」(笑)
もしくは気にせず寝てる!
そこに、実はヒントがある。
やはり、私の先生は、ポム(笑)
相談者のテーマ、支援者のテーマ、この両方でお互いに影響しあってるのです。
これは自然なことです。
ずっと頑張って生きてきた人と人だから。
そこに意識を向けてみる。
そこに優しい言葉をかけてみる。
その辺からはじめてみませんか?
少しずつ、休日に思い出さなくなるかも~
相談者が変化していない!?(回復の本質)
セッションを重ねても、なかなか変化していかない相談者。
そんな人と向き合う時、あれ?
私、やり方、間違ってる?
そう悩むこともありますよね。
「関西国際空港も、毎年、数センチずつ沈んでる」
なんて言いますよね。
沈んでて大丈夫なんかーい(笑)
一日単位で見ても、誰も気づきません。
でも数ヶ月、一年単位だと分かるのです。
「ああ、動いていたんだ」と。
私がポムと出会ったのは、生後数ヶ月の頃でした。
すくすく育って、何年も一緒に過ごしました。
体重で言えば、何倍にもなっているはずなのに、一緒にいると、気づかないんですよ。
ある時、昔の写真を見たら、
「めっちゃ、大きなってる!」
今でも覚えています。
相談者の変化も、きっと同じです。
二歩進んで、一歩下がる。たまに二歩進んで、三歩下がる〜(笑)
今日は、何も進まなかったように見える。
それでも、長い目で見れば、少しずつ動いています。
もちろん、ただ話を聞いているだけでは、進みません。
必要な関わりがあってこその話です。
だからこそ、数値で確認するのも大事。
例えば、不安の強さを、100段階で聞いてみる。
最初は90だったのが、今は30になっている。
そうやって、変化を見える形にする。
でも、それ以上に大事なのが、必要な土台作りです。
小さな実践、小さな行動が、積み上げられているか。
特にセラピーの前半は、それらが大事になってきます。
結果ばかりを追いかけるより、取り組めているかどうか、なのです。
セラピーを何十回も重ねると、土台がしっかりできてきます。
その頃、一回のセッションで、劇的に楽になることも、ちょくちょくあります。
でも、多くの変化は、もっと静かです。
もっとゆっくり、積み上がっていくものです。
進んでいないように見える日も、実はちゃんと動いています。
相談者のペースに、じっくり付き合う。
それが、支援者の大切な仕事なのです。
疲れずに、楽に話を聞く方法
セッション中、「ちゃんと聞かなきゃ」「うまくできてるんだろうか」
そう力んでしまうこと、ありませんか?
そうやって、気を張り続けていると、セッションが終わる頃には、もうグッタリ。
甘いものを食べたくなる〜(笑)
友人とカフェで話しているとき、
「あなたの話、一言も漏らさず全部聞きます。」
そう言われたら、ちょっと怖くないですか?(笑)
そんな気を使わんといてよ〜
もうちょっと楽におしゃべりしましょ、って、なりますよね。
セッションも、同じなのです。
うちのポムも、ボーッとしてる。
散歩の途中で、急に立ち止まって、ぼーっと、風の匂いを嗅いでる。
その姿、とってもいいんですよ〜
癒される。
何かを悟ってるに違いない(笑)
私も、セッション中にふっと、一瞬意識が飛ぶことがあります。
「あ、すみません。少しぼーっとしてました」
それも、ありだと思います(笑)
人間だから、そういう瞬間があって自然。
支援者の神経系が緩んでることのメリット|ポリヴェーガル理論
全部を拾おうと力むより、ゆるんでいる方が、うまくいくことも多いんです。
緩んでいるからこそ、相手の覚醒レベル、
高ぶっているのか、沈んでいるのか、を感じとれる。
相手の感情、想いも、伝わってくる。
細かい言葉のひとつひとつを、完璧に拾う必要はありません。
そういう意味で、ぼーっとしてても、いいんです。
その方が、きっと、相手も安心できます。
穏やかな神経系が相手にも伝わっていく。
逆に、私がハラハラしてたら、相手もハラハラしてくる。
そんなもんです。
何を言うか、何をするか、それより先に、あなたがどんな神経系でいるか。
そこが、セラピーで大切なんです。
でも、ぼーっとしてウトウト寝てはダメですよ〜(笑)









