PTG(心的外傷後成長)を心理療法で活用する

 

 

PTG(トラウマ後成長)って何となく聞いたことあるけど、、、

トラウマを経験すると成長する、ということでしょ?

PTGって、何となくわかっているようで、わからない、、、なんてことないですか?

 

私自身も臨床を十数年やってきたけど、PTGって、なんかイマイチ、、、ピンとこない。

だから、この記事を通じて、明確にしましょう。

支援者として、PTGをしっかり理解して、臨床に生かしていきましょう。

支援者自身の成長にも深く関係してくるということです。

 

 

PTG(トラウマ後成長)について明確にする必要がある

 

まず、PTGについていくつかのポイントを明確にしましょう。

  • トラウマ後に成長があると言っても「トラウマがいいこと」という意味ではない

成長出来るなら、トラウマにあった方がいい、なんて言ってるのではないのです。

  • 全ての人がトラウマ後に成長するわけではない

辛さと後遺症ばかりで成長に繋がらない場合もあるのです。

  • トラウマを受けたこと自体が成長に繋がるわけではない

トラウマを受けたら自動的にすぐに成長するわけではないのです。その逆境や心の痛みを乗り越える試行錯誤の中に、成長があるのです。

 

 

PTG(ポスト トラウマティック グロース)の歴史

 

簡単にですが、ポジティブ心理学の流れも影響してPTGという概念が提唱されてきたのです。

 

 

元々、心的外傷後ストレス障害(Post-traumatic-Stress-Disorder)という言われ方ですよね。

医療モデルからきたもので、病理という部分に焦点を当てた概念ですよね。

そのようなネガティブな傾向が出てくると、歴史の自然な流れで、PTGというポジティブな傾向のものも出てきたのでしょう。

簡単に言うと、トラウマって辛いばっかりでなく、、、成長するという側面も大事にしましょうよ、という流れが出てきたのです。

なんかこれ自体いいことに感じますよね。さあ、もうちょっと掘り下げていきましょう!

 

 

PTG研究の論文を読んで思うこと

 

PTGの研究や論文を、いくつも読んだこともあるのですが、冒頭でもお伝えした通り、なんかピンとこない。

読んでいても参考にならないし、あまり面白くないのです(笑)

多分、認知行動療法的な視点から書かれていることが多いからかもしれません。

でも、あまり役に立たなさそうなことでも、視点を変えれば臨床に役立ちます。

心理の現場で役に立つことはいくつかあったので、それを解説していきますね。

どんな要因がPTG(トラウマ後成長)に繋がると思いますか?

 

 

社会的なサポート

 

PTGの文献を読んでも、海外の先生たちも口を揃えてSocial Supportだと言います。

「社会的なサポートがトラウマ回復やその後の成長に繋がる」と主張されているのです。

わかりやすいところで言うと、、、

配偶者などのパートナーの存在がサポートになっているのか?

理解してくれる友人がいるのか?

サポートしてくれるコミュニティーがあるのか?

主治医や心理セラピストという支援者がいるのか? ということ。

この部分だけを論文や書籍で読んでも「そりゃそうだよね普通」ってなりませんか?(笑)

 

トラウマを抱えた方からすると、引きこもってるし、そんな人だれもいません! という場合もあるでしょう。

私的には、社会的なサポートをもっと広げて、動物とかでもいいと思います。家にペットとしていなくても近所の猫とか。

 

 

もっというと、アニメのキャラとか本の登場人物とかでも。植物や自然でもいいですよね。探せば支えになるものはあると思いますよ。

そんな視点を支援者も持ってみられてはいかがでしょうか? 簡単に「あっ、この人社会的なサポートないな〜」ではなくて。

 

 

自己慈悲(セルフコンパッション)が大事

 

自分自身に慈愛を持って優しく関わる、というのがトラウマ回復や、その後の成長に大事だとよく言われます。

トラウマや虐待にあうと、自分を責める傾向が強くなるのは自然なこと。

そして、トラウマと恥の感情は密接に繋がってるので、よりそのような傾向になります。

恥や自責を解放するのと同時に、セルフコンパッションを培うことで、トラウマ回復に繋がるのです。

恥に関する記事自責に関する記事、もよかったら参考にどうぞ。

確かに、自分を責めてばかりいると、中々回復に向かっていきにくというのがあります。

よくなってきても、それを受け取れないというようなこともあります。

だから、自責の対応が、まず必須になるという場合もあるのです。

 

 

トラウマに向き合う

 

意外だったのがこの要因です。

確かに、言語レベルのカウンセリングや認知行動療法的なアプローチを重視して書いている研究者や臨床家もいるので、「トラウマに向き合う」という要因が出てきても自然かもしれません。

どんな心理療法でもどこかのタイミングでトラウマに向き合うことをセッションですることがありますよね。

本人に寄り添いながら、沢山たくさん準備をして、絶妙なタイミングとペースで、トラウマの部分に向き合う臨床を心がけましょう。

どんな心理的なアプローチを使っても、変わらない不動の原理原則というのがあります。

 

 

その辺のやり方というか原理原則は、このブログに色々書いてますので参考にして頂ければ。

いいセラピーの条件というのは、トラウマに少しでもより安全に向き合うこと。

そして、トラウマの部分に触れるのを最小限にして、最大の解放を得るということではないでしょうか。

「最小にして最大の、、、」ですかね。

 

 

ソマティックなツール

 

ソマティック系のセラピストたちは、トラウマ回復や、その後の成長には、ソマティックなツールが必要だと言います。

ソマティックなツールやプラクティスで、自己調整できるようになることが大事なのです。

覚醒した自分に気づき調整する、シャットダウンし始めた時に、気づいて調整したりというように。

そんな自己調整する能力を身につければつけるほど、成長に繋がると言えそうです。

ソマティックなツールは、トラウマを乗り越えるだけでなく、人生の他のことにも活用できる一生モノのスキルなのです。

 

 

トラウマを受けた「意味」を探求する?

 

「意味付け」ということがトラウマ後の成長に欠かせない、とも言われています。

意味を探るということについて私的に思うことをお伝えしますね。

一方で、トラウマを受けた意味を探求する必要がない場合もあると思うのです。

あえて、「トラウマ」と「自分」を切り離す必要がある場合があります。自分がこうだったから、こうなった、というのが強すぎる場合です。

そのような部分を少し緩めるのも大事です。

そして、今あらためて、どう生きたいのか? そんなところも大事に進んでいきたいですよね。

過去、過去ばかりに向いていると、現在や未来にちょっと向けてみるというのも時に必要なことです。

 

もう一方では、自然にトラウマを受けた意味を探求する流れになる場合もある。

この辺はバランスが大事になります。そして、どのタイプのクライアントさんなのか? どの回復のステージにいるのか? そんなことが関係します。

意味をしっかり見出すことが、回復のための動機付けになる人もいますよね。逆にそれに圧倒される人もいます。

そして、比較的回復の後半に、意味を見出す作業をすることが多いのも事実です。回復の初期の頃は、意味とかそんなことよりも、とにかく怖かったり、フラッシュバックで辛いのです。

意味とかどうでもいいから、この痛みをとってほしい! なのだと思います。

 

 

カウンセリングの臨床現場でPTGを活用する

 

現場のカウンセリングで、クライアントさんの話を聞く時に(特にアセスメント の時)トラウマによって「どんな生きづらさがあるのだろう?」というヒアリングしますよね。

それと同時に、トラウマがもたらした成長にも耳を傾けましょう。そのような質問を支援者側がしないと、クライアントさんからは中々言い出しにくいのです。

質問の例は、、、

辛さや悲しみなどと向き合って、克服してくるプロセスの中に、どんなリソースがあったのか?

トラウマの症状が、ただ辛いだけで耐えていた日々と、今は何が違うのか?

生き抜いてきた中、どんな気づきがあったのか?

そのようなヒアリングをしていくと、トラウマの回復に繋がる重要な要因が見えてくることもあると思いませんか?

 

まとめ

トラウマを経験した、という事実は、もう変えられない。

でも、そのトラウマを成長に変えていける要因がある。

 

● 社会的なサポート(動物や植物なども)

● セルフコンパッション(自分に優しく接する)

● トラウマに向き合う(安全な方法で)

● ソマティックなツール(体の英知を活用する)

● 意味を探求する(必要に応じて)

 

一見シンプルな内容ですが、

あらためて、これらの要因を見直してみてはいかがでしょうか?

最後まで読んでくださってありがとうございます!

 

 

 

 

 

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