手術の影響を減らすために実践したことは?
私の口腔外科での手術体験を交えて、医療トラウマについてお伝えしていきます。
医療トラウマは思った以上に、あります。特に、こどもたちに多い。
あなた自身や、あなたの大事な家族が、、、手術を受ける日がいつかは来ますよね。そのためにも知っておいて損はないです。
ちょくちょく現場のカウンセリングでも医療トラウマのことが出てきます。
小さい頃無理やり手術をされた、、、とにかく怖かった、、、さらに、元々精神的に不安的な人が、医者に言葉などで傷つけられる、、、なんてこともありますよね。
医療関係の人にも知ってほしいし、対人支援者にも医療トラウマを予防するサポートをしてほしいと思ってお伝えします。
私の体験 → 医療トラウマが起こる理由 → 予防策
という流れでお伝えしますね。
コンテンツ
受けた手術がプチ医療トラウマ!?
私の手術の内容は、口の中の大きな嚢胞の摘出です。そのついでにちょっとややこしい親知らずも摘出しました。
全身麻酔で手術。入院は3日間でした。まあ、本当にお伝えしたい内容がたっくさん。
病院の方々にはよくしてもらったことへの感謝もありますし、、、
何してくれてんねん!!!(怒) みたいなこともありましたよ。
手術室に入ってから
プチトラウマの話をしようかな。そう、それは手術室に入った時でした。
私はちょっと緊張もしながら、、、呼吸に意識を向けていました。
全身麻酔に入るまでしか意識がないから、、、とにかく、それまで穏やかにいよう、そう努めていました。
それでなくても手術などは、、、体さんには、、、とても負荷がかかることです。
ベットに寝転び、簡単な質問に答えました。その後、麻酔やっていきますね〜みたいな流れに。
麻酔と医療トラウマの関係
緊張や恐怖を感じたまま、麻酔をかけられたくなかったので、ゆったり呼吸をしていました。
その時、マスクを口に持ってこられ、テープみたいなので顔中グルグルに、、、ほうほう、こんなやり方なのね。余裕ブッこいてました(笑)
数秒立つと、、、あれッ? 息苦しいぞ? 麻酔の効果か? とにかく、人に口と鼻を手で抑えられたみたいに息苦しかったのです。
何とか必死に呼吸していると、、、あまりにも苦しくて、、、手を口に持っていって、
「息苦しい〜!」声を振り絞って言ったんです。そうしたら、主治医は、、、、「ゆっくり呼吸してくださいね〜」
息苦しいって言ってんのに、、、、こいつ話聞いてんのか?
そんな苛立ちもちょっとありながら、、、冷静な自分もいました。まあええわ。みたいな自分も(笑)
麻酔が息苦しい
とにかくかなり息苦しいけど、全く息できない訳ではない。色々な呼吸法をやってきたのもあるし、、、
細〜く長〜く、吐いて吸う、呼吸法って感じでやっていきました。
かなり息苦しかったけど、何とかなりました。でもちょっと必死な自分もいました。
そして頭では、こんな苦しくて麻酔かかってあとでトラウマにならんやろな? そんなことも考えていました。
これは時間にして麻酔のマスクをはめられて1分もなかったと思います。
そして気づいたら、手術が終わって目が覚めた時でした。
とにかく、全身麻酔の影響もあって吐き気が半端なかったです。
このような副作用があることは聞いていたので。
もしかすると息苦しい感じで麻酔をかけたからか、、、疑問は残るばかり。
でも思う。何で患者が、ここまで、苦しい思いしなあかんねん!
呼吸法まで活用して(笑)
今これを書いててもまだちょっとだけ反応があります。マスクされて、息苦しかった記憶を思い出すと、今もほんのちょっと気持ち悪い。
これ普通の人ならかなり恐怖のまま、息苦しくなったまま、麻酔に入ってることもあると思う。
何らかのトラウマになったっておかしいくない。ここからは医療トラウマが起こる理由をお伝えしますね。
なぜ医療トラウマは起こるのか?
なぜ医療トラウマが起こるのか? この質問は、、、なぜ対人のトラウマが起こるのか? と被る部分が多い。
宗教でも、家族でも、学校でも、会社でも、病院でも、、、、対人のトラウマは起こる。
でも、医療トラウマは、他のと違う部分があるのです。よりトラウマが起こりやすいのです。
衝撃的な事実ー赤ちゃんは麻酔なしに手術!?
まずは衝撃的な事実をお伝えします。
20数年前まで、、、赤ちゃんは、麻酔なしに、手術をされていたのです!!!
びっくりしませんか?
私が知った時、何度もその部分を読み返しました。
1980年代なんかはほとんどそうしていた。1990年代だってまだまだ多かったと思います。
もしかすると今でも世界のどこかでは、、、ゔっ、、、想像すると恐ろしい。
普通の感覚では考えられません。
麻酔をしなかった理由は、、、赤ちゃんは神経系が発達してないから、痛みをそんなに感じないと信じられていた。
外科医はドSなのです
外科医とかはそんな感覚な人が多いのです。ドSなのです。人の痛みがわからないのです。
でも外科医がドSなのは、、、仕方ないと思っています。だってそうですよね。「普通」であれば、メスで人の体を切る、、、できないはずです。
私はできません。だから、ドS的な要素は仕方ないのです。
それが彼らの強みでもあるのです。逆にメスを持ちながら、ビビりまくってる外科医は嫌です(笑)
そもそもの医療業界の構造
じゃあ、何が問題なのか? そのような外科医に、自由にものが言えない環境がダメなのです。
外科医や医者が崇拝されるシステムが問題なのです。
白い巨塔やんか〜(笑)
多くの医療スタッフは感じてたと思います。赤ちゃんに麻酔かけた方がいいと。
実際に麻酔の歴史をちょっと調べたのですが、、、赤ちゃんにも麻酔をかけることが大事だと提唱していた医者も100年以上まえからいたのです。
でも受け入れられなかった。他の医者たちは自分たちの都合を優先したのでしょう。
1980年代にあるお母さんがきっかで、このことが欧米で問題視されるように。さすがお母さんやね。
それからは少しずつ赤ちゃんへの麻酔が標準となっていったのです。
赤ちゃんがちゃんと痛みを感じるという研究データもどんどん出てきたし。
医療の世界、、、その他の、ビラミッド的な世界では、、、トラウマはなくならないでしょう。
構造から変えていく必要もありそうです。
医療という行為そのもの
なぜ医療トラウマは起こりやすいのか?
もう一つの理由は、医療行為そのものです。医療行為、特に手術なんかは、とても侵入的ですよね。
体を切って、内臓をいじったりするわけですから。トラウマ的なことが発生してもおかしくはありません。
病気を治したり、命をつなげるという意味では、本当に尊い行為です。それと同時に。とても侵入的だという事実をわきまえてほしいということです。
それが希薄になった時に、医療トラウマが起こりやすいのだと思います。
色々書きましたが、これだけはお伝えさせてください。
外科医、麻酔医、看護師、その他の医療関係者が多くの人の命を救っていることは事実です。
そんな素晴らしいお仕事をされているからこそ、もっと効率よく、楽に、進化していってほしいと願っているだけです。
さてさて私の口の中は、術後結構すぐに落ち着いてきました。
体調もいい感じに。なぜ回復が早いのか、、、? 医療トラウマを予防することが大事なのです。
私が実践したことなどもお伝えしていきますね。
医療トラウマを受けないための予防方法とは?
予防方法を全て書くと、本100ページくらいになりそうなので、私が個人的に大事だと思うこと3つをお伝えします。
どちらかというと大人向けです。
こどもに関しては、もっと沢山のことがあります。大人より、準備、ケア、サポート、対話がもっと必要ですよね。
なぜかって? それは、医療行為の意味が分からないからです。ただ痛い、ただ怖いのです。
心理カウンセラーさんたちには参考にしてもらって、クライアントさんに伝えてあげてくださいね。
とにかく誤って、声をかけること
医療トラウマにならないために私たちにできることは? 私自身が予防のためにやったことは?
多くの場合、医療を受けること、手術を受けること、これは体にとってとても負担です。痛いし!(笑)
私が実践したのは、、、「体に話しかける」です。
体も大事な内的なパーツさんです。こどもに話かけるように何度も話しかけました。
歯医者に通っている時からです。「今日はこんな処置をするよ〜。ごめんよ〜。」というように。
真面目に語るんですよ(笑)
手術の前も、、、「ごめんよ〜。この辺を、こうやって切るよ〜。〇〇のためにそうするんだよ〜。」みたいに。
これを入院中、何度もしましたよ。手術の前も、手術の直前も、手術の後もそう。退院して家に帰ってきてからも、、、
「腫れてるね〜 痛かったね〜」というように、何度も語り続けるんです。
「ゆっくりしていいんだよ〜。少しずつだけど回復するよ〜。」 そのようにやってると回復が早いような気がします。
結局、体のパーツに声をかけることは、、、自分自身に声をかけることでもあるのですから。
回復するための最前の行動が取れるようになるのです。まあ、だらだら寝るってことですが(笑)
流れをリハーサルする
私が入院の時に実践したことなんですが、、、もっとやればよかったという方法です。
言葉にすればシンプルですが、、、、何度もリハーサルするということ。
あの本番の舞台の前にやるリハーサルですよ。実際に舞台に立って、共演者と、セリフを言い合って。
それがリハーサル。でも医療の現場ではリハーサルってほとんどないのです。私の場合はイメージの中でやるしかなかった。
手術室ってこんなだろうな、、、上を向くと照明があって、、、手術のあとは痛いんだろうな、、、みたいに一応やりました。
でも、、、全然リハーサルになってない!(笑)
本当のリハーサルは、実際の手術室にいくことだと思う。違う部屋でもいいからそれだけでも何となく準備ができる。臨場感が湧きます。
わかってますよ。病院も忙しいことを。理想を言えばです。でも、こどもたちにはじっくり時間をかけてあげてほしいです。
手術室に行くだけでなく、実際の手術に立ち会う先生たちにあう。
私の場合、麻酔科医は手術の前に軽く説明しにきましたが、、、手術の時は違う麻酔科医だったし(笑)
えっ誰? って思った。ちょっと覚醒レベルこれだけで上がりますよね。その場で、違う麻酔科医だという説明なんて、もちろんありません(笑)
でもその先生、ドSの部分もあったけど、「緊張もするよね〜」なんて共感してくた年配の麻酔科医でした。
とにかくトラウマになるのは「ショック、恐怖、予想外の出来事、フリーズ」
この辺が混ざってなります。だからリハーサルというか、しっかり予想外のこともイメージしていると予防になります。
あるリソースを全て活用する
とにかくあなたの中にあるリソースというのか。資源を活用しましょう。
友達や家族に実際にきてもらう、電話する、呼吸法をする、安心を感じる などなど。
病院に入院中のリソースは看護師さんたちでもありました。術後の気持ち悪さに共感してもらったり、話を聴いてくれたり。
「何かあったら何でも言ってくださいね〜」なんて言われたことが本当にありがたかったです。
術後の不快感や痛みはかなりのものでした。
でも、そんな時だからこそ、リソースを最大限に活用したいですよね。
さてさて予防法お伝えしてきました。でもですよ。ふと違和感ありません?
この予防方法は患者がやることですよね。
でも究極の医療トラウマの予防は、、、医療側が提供することなのです!
医療トラウマに向き合うことこそが医療界が進化するチャンス
医療側が、当たり前のことを当たり前にやればいい。
そんなシンプルなことなのです。
害になることはやらない! なのです。ヒポクラティスの誓いですよ(笑) Do no harm ! 害を与えるな。
でもわかっています。医療に関わる人も、みんな色々なこと抱えてるし、病院という不完全な構造の中で一生懸命やってるし。
まずは医療関係者をはじめ、多くの人に医療トラウマがあるという事実をしっかり認識してほしいです。
特にこどもへの医療トラウマ、もちろん大人もだけど。
医療者たちはとても貴重な存在です。
だからこそ、全ての対人支援者をはじめ、全ての医療関係の人に感情教育というのか、ソマティックな教育、ソマティックなワークを必須にしてほしいのです。
このような医療トラウマを予防することこそが、より医療界も進化できると思っています。
想像してみてください。トラウマを体の部分から解放された医者がもっと増えればどうなるか?
感情にも寄り添える医者が増えるとどうなるか? もっと患者のための病院が増え、働きやすい病院が増えると思います。
そんな医療業界になったら、、、、マジで最高だと思いますよ〜。
PS しばらくしてから、、、
担当医とも麻酔の時に息苦しかったこと言いました。ちゃんと聞いてくれたので、少しは納得しました。
それと軽く出てくるフラバ的なものは、視覚的にも、体感的にも、セルフセラピーして解放しました。