対人支援をしていると、「回復の手順を教えてほしい」そう思うことないですか?
頑張って寄り添ったり、体験的なワークをしても相談者の症状が変わらない。
でも、効果的な回復のプロセスには、
ある「共通した感覚」があるように思うのです。
今回は、「森」という比喩を使いながら、感覚的に書いてみようと思います。
コンテンツ
対人支援って繊細なプロセスなのです
対人支援をするって、相談者の世界を知っていくこと。
その内的な世界に、おじゃまさせて頂く。
で、思うんです。
人の内面って、森みたい〜
静かで、不思議で、少し怖い。
どこへ進めばいいのか、分からない。
急に暗くなる。
足元も、少し見えにくくなる。
戻れなくなりそうになる。
しかも森って、急に霧が出たりする。
さっきまで見えていた道が、見えなくなる。
「あれ? どっちだったっけ?」って、なる。
でも、その森の中には、まだ知らない景色や、
忘れていた感覚も、眠っている気がする。
トラウマケアや、内面と向き合うことって、
そんな森へ、少しずつ入っていくことに、似ている。
でも、ここで大事なのは、いきなり奥へ行かないこと。
準備なしで、森へ入ると、普通に遭難する(笑)
地図、懐中電灯、食料、いろいろ必要です。
「向き合わなきゃ!」って、勢いだけで入っていくと、迷子になる。
しかも、今回は、ポムも一緒(笑)
ポム、真っ暗な場所、ちょっと苦手。
急に森の奥へ行ったら、たぶん、「キャー!」って、逃げ帰ってくる(笑)
だから、まず大事なのは、相談者と一緒に、できる準備はする。
そして一緒に、少しずつ確認しながら進んでいく。
「あ、ここ休めそう」という場所を見つけること。
雨が降った時、雨宿りできる場所を見つける。
暗くなった時、少し火を起こしてみる。
トラウマセラピーって、少し、そんな森を歩く感じに、似ている。
森へ入っていくと、自分でも知らなかったものを、いろいろ見つけちゃう話。
次にしていきますね(笑)
強み、資源が見つかる森|トラウマセラピーの本質
ここまでは、人の内面って、静かで不思議な 森 みたい。
そして、トラウマセラピーって、そんな森を、少しずつ歩いていくこと。
ということでした。
で、思います。森って不可思議。
森に入ってみないと、分からない。
家の中から見てるだけだと、分からない。
急に寒くなったり。思ったより暗かったり。
足場が悪いし、意外とすぐ疲れるし(笑)
実際に森へ入ってみて、必要なものが見えてくる。
「あ、ここで休めそう」
「あ、水って大事なんだ」
「あ、火を起こさなきゃ」
みたいに実感してくる。
森に入って経験を積んでいく感じ。
身体を慣らしていくのです。
これって、トラウマセラピーと似てる。
クライアントに世界におじゃまさせてもらって、はじめて知っていけるのです。
一緒に必要なリソースを見つけていくのです
クライアントの土台作りに必要なリソースは森の中に隠れてる。
土の中にあって見つけにくいのです。
決まったリソース1番〜10番をやるテンプレ!
ではないのです。
安心を感じましょう!?
グラウンディングしましょう!?
それ以外にも必要なことがあったりする。
テキトーにやっても効果がない。
だから難しいのです。
森は不可思議で、予測できないのです。
昨日は大丈夫だった道が、今日は急に暗くなることもある。
だから一緒に確認しながら進むのです。
それに森って、全部準備してから入れるわけじゃない。
水を20リットル持って、完全装備で入る。
そんなの無理(笑)
歩きながら、見つけていく。
途中で、休める場所を見つける。
「これ使えるかも」を増やしていく。
少しずつ、その森の歩き方が見えてくる。
そして、ポムのことも考えないといけない(笑)
ポム、急に雨が降ると、テンション下がる。
ちゃんと休める場所、必要。
あと、ポムのご飯も必要(笑)
森へ入ってこそ、本当に必要なものが少しずつ見えてくる。
トラウマセラピーって、そういう森の旅なのです。
次は、森の激しさをお伝えしますね。
トラウマセラピーに正解はない|森の特徴
ここまでは森へ入ってみることで、本当に必要なものが少しずつ見えてくる。
そんな話でした。
でも、ここで大事なことが!
何が必要かは、森によって違う。
もっと言うと⋯⋯森そのものが、全然違う。
ある森は、霧が濃い。
5m先しか見えない。
立ち止まる。振り返る。でも、来た道も見えない。
「あれ? 本当にこっちだったっけ?」そんな気持ちになる。
ポムも不安そうに、こちらを見上げてる(笑)
だから、懐中電灯が必須。
足元を照らしながら、少しずつ進む。
少し進んでは休む。また少し進む。
そんな歩き方が必要な森もあるのです。
それとは全く違う森もある。
崖が続く森です。
足元の石が、カラカラと崩れる。
小石が落ちていく。
しばらくしてから、カツン、と音がする。
思ったより、ずっと深い。
しかも、谷底から、風が吹き上がってくる。
ゴォォォーーーッ。
身体ごと、持っていかれそうになる。
ポムの毛も、ブワッと揺れてる(笑)
そこでは、立ち止まること。足元を確認すること。
そんなことが、とても大事になる。
森の多様性|クライアントによって違う世界
そして、また別の森もある。
遠くで、獣の声が聞こえる。
ガサッ。バキッ。
何か来るかもしれない。
ずっと周りを見ながら、警戒してる。
ポムも、ずっと耳を立てている。
そんな森もある。
さらに、不思議な森もある。
風もない。鳥の声もしない。
霧もない。崖もない。
何も起きない。静か。ただ静か。
ずっと歩いても、景色が変わらない。
なぜか、眠くなる。
進んでいるのか、止まっているのかも分からなくなる。
何も起きない。
でも、なぜか居心地が悪い。
そんな森もある。
だから、同じ地図は使えない。
同じ装備では対応できない。
森が違うから。
必要な火も。必要な休み方も。必要な道具も。全部違う。
だから、決まった答えはないのです。
まず必要なのは、早く進むことじゃない。
どんな森なのかを、知ること。
そして、その森に必要なものを、見つけていくこと。
対人支援って、その人の森を、一緒に見ていくことに少し似ている。
トラウマセラピーって、そんな森の旅なのです。
次は、ポムと一緒に、もう少し森の奥へ進んでみます(笑)
リソースとトラウマ解放の深い関係|森の構造
ここまでをまとめると、霧の森、崖の森、いろいろな森がある。
歩き方も、必要な物も、違う!という話でした。
ポムと一緒に、しばらく歩いてると、森の奥へと進んできました。
すると、大きな湖に出ました。
向こう岸も見えない湖。
ポムも、湖とこちらを交互に見ている。
「これ、どうするの?」みたいな顔(笑)
正直、ちょっと不安。
でも、昔みたいには焦らない。
まずは、湖の周りを歩いてみる。
深さを見てみる。風を感じてみる。
そして、今日はここで休むことに。
火を起こすと、ポムも、焚き火の近くで丸くなってる。
湖を見ながら、ぼーっとしてると、ふと思う。
「あれ? ここまで、どうやって来たんだっけ?」
霧の森では、立ち止まりながら進んできた。
崖の森では、足元を確かめることを覚えた。
獣の気配がする森では、安心して休める場所を探してきた。
静かな森では、焦らないことを覚えた。
そして気づく。
湖を渡るために必要なものも、実は同じなのかもしれない。
急がないこと。
確認すること。
休むこと。
少しずつ進むこと。
トラウマ的な深い部分にアクセスするのはリソースという準備がいる
次の日から湖を渡るためのボートを作ることに。
あたりを探索してると使えそうな木も見つかる。
少しずつ作っていく。
ポムも、何か手伝っているつもりなのか、
小枝をくわえて得意そうに歩いている(笑)
⬇︎
そんなことを繰り返しているうちに、
気づけば、渡れそうな形になっていた。
不思議。探し回ったわけじゃない。
でも、気づけば、必要なものは森の中に、ちゃんとある。
トラウマセラピーもそう。
トラウマを解放するためのリソースという鍵は、その人の中にある。
そういう意味でリソースとトラウマは表裏一体なのです。
奥へ行くために必要なものは、必ず手前にある。
それは、最初から見えているわけじゃない。
でも、森を歩いていくと、少しずつ見つかっていく。
ふと思う。前ほど、森が怖くない。
もちろん、今でも霧は出る。
暗くなることもある。
道に迷いそうになることもある。
でも、前とは少し違う。
休み方も知っている。
立ち止まり方も知っている。
火の起こし方も知っている。
だから、もう少しだけ、奥へ行ける気がする。
トラウマセラピーって、そんな旅なのです。
さあ、ポムと一緒に、湖の向こう側へ。
どうなってしまうのか〜!(笑)
トラウマ解放の後に起こること(森の奥地)
湖の前で過ごす時間も長くなっていた。
そして、ついにその日が来た。
目の前には、広い湖が広がっている。
ポムも、湖をじっと見ている。
いよいよです。
ゆっくり、ボートを押し出す。
ドキドキしながらも、オールで漕いだ。
向こう岸に渡れるのだろうか?
少し不安だけど、焦る必要はない。
ボートを漕ぎながらこれまでの旅を振り返っていた。
休むことも覚えた。
確認することも覚えた。
ただ淡々と漕いだ。
時間の感覚もなくなるくらい漕ぎ続けた。
もう何時間たっただろう?
少し漕いだり、少し休んだり。
そんなことを繰り返していると、少しずつ景色が変わってくる。
そして、ついに⋯⋯
湖の向こう側が見えた。
ポムも、しっぽを振りながら、
なんだか嬉しそう(笑)
Post-Traumatic-Growth(PTG)トラウマ解放後の世界
ついに向こう側についた。
そして、あたりを見回した。
何かを、期待してる私がいる。
大きなお城とか。宝箱とか。
人生の答えみたいなものとか(笑)
でも、ありませんでした。
そこには、ただ森があった。
木があった。風が吹いていた。
鳥が鳴いていた。それだけです。
でも、何かが違う。
なんだろう。ああ。
変わったのは、森じゃなかった。
風が気持ちいい。
鳥の声が聞こえる。
木漏れ日がきれい。
そんなことを、感じている自分がいる。
以前は、そんな余裕がなかった。
道に迷わないか。
足を滑らせないか。
獣が出てこないか。
そっちで頭がいっぱいだった。
でも今は、少し違う。
もちろん、森は変わらない。
霧も出る。雨も降る。
暗くなることもある。
迷いそうになる日もある。
でも、森と戦わなくなった。
森の中で、生きていける気がする。
そして、それだけじゃない。
「あっちには、何があるんだろう」そんな気持ちも出てくる。
少し行ってみたい。
少し見てみたい。
そんな好奇心が戻ってくる。
忘れたものを、少しずつ思い出していく。
すると、どこから来たのか。
ポムが、楽しそうに走っている(笑)
⬇︎
見てみると、他のワンちゃんたちと遊んでいる。
こちらのことなんて、もう見てもいない(笑)
最初は、森に入るだけで、「キャー!」だったのに(笑)
今は、夢中で走り回っている。
なんだか、嬉しくなる。
トラウマセラピーって、症状を消すことだけじゃない。
気づけば、安心できる時間が増えていた。
楽しいと思う瞬間が増えていた。
誰かと一緒にいることが、前より少し楽になっていた。
そして、 また人生が動き始める。そんな旅なのかな。
そして⋯⋯ポムは、今日も森の中で走り回っている。
私はそれを見ながら、また少しだけ、森の奥へ歩いていく。
おしまい。









