最近、海外で注目されている〇〇主義とは? 日本に輸入する際の注意点

 

最近、欧米などで注目されてることがあるのです。

ソマティック系や、トラウマセラピー系の、最新の書籍、

この1年くらいのセミナーで注目されてることです。

何だと思いますか? クイズ形式の方が楽しいかと思って(笑)

最新の〇〇セラピー! ではありません。意外なことなんです。

まず動画からどうぞ

⬇︎

 

 

最近、海外で注目されている〇〇とは?

 

それは「白人主義だぜ!」ということ。

はっ!? ですよね。「もっと白人主義を意識しようぜ!」なのです。

 

 

この1年くらい、それが大事だと多くの専門家が語っています。

ちょっと説明しますね。歴代の心理学者と言えば⋯⋯

フロイト、ユング、アドラー、スキナーなどですよね。

彼らに共通することです。さらには⋯⋯

ロジャーズ(人間性心理学)

パールズ(ゲシュタルト)

ジェンドリン(フォーカシング)

ロンクルツ(ハコミ)

 

トラウマセラピー系では⋯⋯

リバイン(SE)

オグデン(センソリーモーター)

シャピロ(EMDR)

TFT、ブレインスポティングの創始者も。

彼らに共通することは⋯⋯ヨーロッパ系の白人さんなのです!

西洋人とでもいいましょうか。まだまだあります。

 

ポリヴェーガル理論、愛着理論、トラウマ理論

その他の多くの心理系の理論は誰が作ってますか?

白人さんです。言われてみれば当たり前のことなのです。

あらゆる心理療法、心理学の理論の背景には⋯⋯西洋的、白人的、価値観が影響しているのです。

それを白人さんが「もっと白人主義を意識しようぜ〜」という流れになってるのです。

これはとっても、いい流れです。

 

今まで、黒人系、ヒスパニック系、アジア系、その他の文化的背景を持つ人たちは、

白人主義的な理論や心理療法を、そのまま鵜呑みにしてきたのです。日本人もそうです。

白人さん達も、そうでない人達も、みんなで「そういうこと大事にしよう」という動きなのです。

Black lives Matter (BLM)などの動きが影響しているのでしょう。

 

白人主義的なことが背景にあると意識すると何が違うのか?

例で説明しますね。

謙虚でもあり、神経質な部分もある、平均的な日本人を欧米人が分析すると⋯⋯

「うつ」「不安障害」の傾向があるよね〜みたいなことになるのです(笑)

 

イタリア人って、とっても陽気ですよね。表現豊かですよね。

そんな平均的なイタリア人を欧米人が分析すると⋯⋯

「神経系が乱れ気味」「ちょっと過覚醒だね」となってしまうのです(笑)

これらの例はわかりやすいからお伝えしただけです。

でも、ソマティックなセラピーをやる時もそう、

トラウマセラピーをやる時も、白人主義的な影響をモロに受けるのです。注意点があります。

でもその前に、このことを理解する意味でも、私の個人的な体験を少し話させてください。

 

 

私がアメリカで差別を受けた話

 

アメリカやカナダにいた頃です。

差別的なこと、まあまあありました。

だって初めてアメリカに行ったのは1994年。もう30年近くも前の話。

今でこそマシにはなりましたが、偏見や差別なんて普通にありました。

アメリカの空港で、入国管理の人に、何も悪くないのに別室に連れていかれ、怒鳴られました。

「お前がこの国に来る資格はないんだっ!!!」

 

 

みたいなことをずっと怒鳴ってました。まだ17歳だった私。

「ファッキン!なんとか」みたいに、よくわからない英語でしたが、

とにかくビビリまくってました(笑)

 

アメリカの都会で普通に歩いてると⋯⋯「国に帰れっ!!!」というのも何度も言われました。

私の英語の発音を笑ってきたり、真似してきたりなんか、かわいいもんです(笑)

ジャップだの何だの色々言って、突っかかってきます。

たまたま運がよかったけど、一歩間違ったら、大怪我してましたね。

 

わかりやすい差別だけではない

学校に入るのも、アパートを借りるのも、就職するのも、全てが不利なのです。

今でこそ少しは緩んできましたが、白人さんが有利になる社会なのです。

「白人特権」なのです。日本人の私が海外で学生をしたり、

仕事を見つけて生活していくことは、本当に苦労の連続でした。

外国人が日本で暮らす苦労を想像できますよね。同じ様なことです。

様々な苦労や悔し思いをしてきて⋯⋯鍛えられたし、学ばされました。

そして立場の弱い側の気持ち⋯⋯痛感させられました。

この話を通じて、私の苦労話を聞いて! なんてことではございません!(笑)

アメリカの白人至上主義に物申したい! ということでもごぜ〜ません(笑)

言いたいことは⋯⋯「自分が人へ与える影響」

悔しい思いを何度も経験したことが、今の仕事に生かされています。

自分の価値観を意識して、相手を思いやる。

そこを意識できるようになったと思います。

 

立場の上にいる人は立場の下にいる人の想像ができない

しっかり意識しないと相手を傷つけてしまうのです。

政治家のトンデモ発言とかありますよね。

何をどうしたら、そんな発言ができるの!ってありますよね(笑)

年上の人が年下の人を見下したり。そもそも敬語ってなんやねん(笑)

男性が女性に対して、優しくない言葉をかけたり。

カウンセラーがクライアントを傷つけたり。

パワーを持っている人はしっかり認識する必要があるのです。

 

心理カウンセラーがクライアントに与える影響力

物凄いぜ、ということ。

アメリカでは白人さんがパワー持ってる。

だから白人さんは、それを意識しよぜ!ってなってきてるのです。

それと同じ様に、日本人である私たちも、見習いましょう。

 

心理セラピでは誰がパワー持ってますか? そう支援者です!

クライアントが脆くて、繊細な部分をさらけ出しますよね。

だからこそ、支援者は、思っている以上に、過剰なくらい、意識してみましょう。

年上であること、知識を持っていること、男性であること、なども、そうです。

賢くて、知識を持っていて、年上の男性カウンセラーさん!(笑)

特に意識しましょう!

あなたは人にどれくらい影響していますか?

しっかり見えていますか?

 

 

ソマティック系の心理療法にも影響がある

 

心理療法の理論の背景には、西洋的な価値観が影響しているのです。

このことを、業界全体で意識していこうぜ! という流れになってきてるのです。

このことは、私たち日本人にも深く関係してきます。

だって海外のセラピーを盲目的に輸入しているからです(笑)

というか日本の心理業界⋯⋯欧米の上に乗っているようなものです。

 

海外のセラピーを輸入する時の注意点

いっぱいあります。例をあげますね。

ソマティック系のセラピーで、感情が出てきた時、

覚醒レベルの調整のために、リソースに誘導しますよね。

その時に海外のトレーナーがよくやるのが⋯⋯

「私の目を見れますか〜?」「こっちを見れますか〜?」というように。

セラピストの目や顔を見てクライアントに落ち着いてもらうのです。

でも、ちょっと待った〜! なのです(笑)

それでいけることもあります。でも、ほとんどの場合、日本人が人の目を見ても落ち着きません。

 

 

特にそれが、異性の人の目を見る、年上の人の目を見る、立場が上の人の目を見る場合など。

年上の心理セラピストの目を見ると⋯⋯恥ずかしくなったり、緊張したり、違和感があります。

海外のトレーナーが、そういうやり方をするから、日本人も、そうしてしまうのです。

これはわかりやすい例です。

他には⋯⋯

 

恥、愛着、体の反応、トラウマの反応が違う

同じ部分もありますが、海外と日本では違う部分もあります。

でも、まるで同じかのようにやっちゃってます。

もうちょっと例。ソマティックなアプローチで、

グラウンディング(地に足をつける)センタリング(丹田)やりますよね。

この辺も海外と日本は違う。

欧米なんかは、グラウンディングが、より大事にされています。

というか、センタリングとか、丹田という発想があまりない。

そういう文化的背景があまりないのです。

では、日本人はどうか? 欧米と逆です。

グラウンディングって、あまり言わない。

それは、日本は地震が多いからという説もあります。

自分が立っている地面に安心できないということです。

だから、丹田を意識する文化が発展したとも推測できます。

 

日本の〇〇道、華道、剣道、柔道、合気道⋯⋯

全て丹田を大事にしている。

丹田を意識しないと成り立たない。

だから、私たちが思っている以上に、文化的、歴史的な背景が、

私たちの価値観や生き方に影響しているのです。

当然、心理セラピーおいても影響するということですね。

そんな背景を支援者みんなで意識していきましょう。

 

 

白人主義という内容を書いてると⋯⋯

 

このことをブログに書いていた時のことです。

そうしたら、興味深いことが!

1年コース(総合トレーニング)の参加者からメールがありました。

カナダ在住のセラピストさんです。な、なんと! つい先日、

Canadian Counseling and Psychotherapy Association(カナダ カウンセリングと心理療法協会)

ここから講演依頼があったそうなのです。

もっと色々な文化的背景を持つ人から学ぼう、という目的なのです!

なんというタイミング(笑)

心理業界がいい方向に行ってます。

 

 

私が海外で出会った様々な先生たち

 

私自身アメリカやカナダにいて様々な教授や先生に出会いました。

ほとんどの先生は「白人主義的なことが影響してる」これを真摯に受け止めていません。

日本人である私の背景に興味を持っていません。しばらく交流していればわかります。

こんな先生もたまにいました。私に言うのです。「あなたの文化的な背景や価値観を私たち(白人)は尊重し学ぶ必要がある!」

なんかよさそうでしょ。私も最初はそう思いました。

他文化のことを理解してくれようとしている。

でもこれ、マジ上辺だけなのです!

日本文化の価値観を学ぶ必要がある。そう言いながら⋯⋯

私に、質問全くしてこない(笑)

Nobukiはどう思うのか? あなたの国ではどうなのか? どんな価値観を持っているのか?

一切しない。口だけなのです(笑)

 

 

ある尊敬できる先生との出会い

 

そのな中、ひとりの教授との出会いがありました!

その心理学の先生、もちろん白人の先生です。

この先生は他の先生とは違いました。

今から20年以上も前なのに、こう言ってました。

「私たち白人が白人至上主義をちゃんと認識しないと。」

言葉だけでなく、日本人である私の背景や価値観に興味を持ってくださいました。

西洋ではこうだけど、日本だとどうなんだろう? というように。

私はとても尊重させた気持ちになったし、学ばせて頂きました。

この先生が、ただ日本文化に興味があった、ということではないんです。

他の文化にも同じようにされています。

自分の価値観をちゃんと意識して、相手の価値観を尊重する先生でした。

だからこの先生が心理カウンセリングをやる時もそうです。

クライアントを尊重してる感がハンパない!

スキル的にそう、ということではなく、ありようが、すごいのです!

口だけの先生とは次元が違う!(笑)

だからこう思うのです。

有利な立場にいる人、支配側の人、そっち側の人は、盲目になっているのです。

盲目になりやすい、ということ。

だから有利な立場の人は、思った以上に、謙虚になって、意識する必要がある。

私が出会った先生のように。みんなでやっていきましょう!