人と距離をとったり、状況を分析する危機管理の能力は必要ですよね。
ただ、激しく管理し続けてると、とても疲れます。そんな「管理者パーツ」を解説します。
そしてどのように対応していけばいいのかがわかります。
臨床の現場では、管理者パーツの対応が不適切だと、行き詰まることが多いです。その理由とは?
まずは動画をどうぞ。
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記事でも詳しく解説しています。
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コンテンツ
内的家族システム療法(Internal Family Systems Therapy)とは?
内的家族システム療法を知らない方は、以下の記事をどうぞ。
先に読むとより今回の内容がより理解しやすいと思います。
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管理者(Managers)パーツを解説
管理者パーツというのは、まさに「管理する」役割があるのです。
自分をコントロールしたり、環境をコントロールするようなことです。
例えば、危険そうな人には近づかない。危険から身を守る上でとても大事な役割をになっています。
さらには、自分の中にいる他のパーツを管理する役割もあります。
例えば、傷ついたチャイルド的なパーツが出て来ないようにとか。
このように管理するということは自分を守る上でとても大事なのです。
ただ、やり過ぎると疲労感がハンパないし、生きづらいです。
なぜトラウマセラピーで管理者パーツの対応が必須なのか?
臨床ではめっちゃ大事です。思った以上に(笑)
カウンセリングにおいて、管理者がとても大事な理由は何だと思いますか?
それは、、、管理者パーツさんが様々な重要な判断をしているのです。
「このカウンセラーを信頼していいのかな?」みたいなことです。
ここからは管理者パーツの実態を理解するためにも、ストーリでお伝えしますね。
プロジェクトを成功させたいあなた
想像してみてください。
大企業のある部長に、あなたが会いにいくとします。
あなたにはどうしても成し遂げたいプロジェクトがあるのです。そのためにはその部長に会う必要があるのです。
いきなり行っても会えませんよね。まずアポを取る必要があります。
そして、会社についたら、受付の人にちゃんと名前言って誰とアポがあるのかとか、ちゃんと対応しないと会えません。
でもあなたは部長の名前をど忘れしてしまいました(笑) 少しずつ受付の人は表情が険しくなってきました。
そんな受付的な役割をしているのが、管理者パーツなのです。まさに「受付の人」とも言えそうです。
名前をメモらなかった後悔
受付の人とのやり取りで、あなたは焦ってしまって、変な言い訳をし始めました(笑)
受付の人は余計に怪しんで、警備員を呼びました。余計に焦ったあなたは、イラっとしてしまいました。
頑固になってしまい、しまいには警備員に会社の外まで連れ出されました。
あなたはこう思いました。「ただ部長に会いたいだけなのに〜」
警備員のお仕事は、不審な人を会社に入れないという役割ですよね。
管理者パーツというのは警備員とも言えそうです。
部長に会えるのか?
現場のカウンセリングで様々な管理者パーツたちに出会います。
管理者パーツは受付の人でもあり、警備員でもあります。でもそれだけではないようなので、ストーリーを続けましょう。
あなたは企業の受付の人に警備員を呼ばれ、外に追い出されました。その時です….
部長がたまたま通りかかってくれたのです! 誤解が溶けました(笑)
部長室に通してもらって、あなたは大事なプロジェクトを説明しました。
部長は協力してくれると言ってくれて、一緒にプロジェクトを進めたのでした。
しばらくしたある時でした。
その部長は「あれはこうしろ」「それはダメだ!」と批判ばかりしてくるようになりました。
そして気づきました。モラハラ部長だと(笑)
でも、このプロジェクトを成功するには、どうしてもこの部長とうまくやらないとダメなのです。
そんなモラハラ部長が管理者パーツとも言えます。
結局、管理者パーツとは?
管理者パーツというのは1つではない、ということです。何人もいるのです。
だから、管理者パーツは受付の人であり、警備員であり、モラハラ部長なのです。
何を受け入れて、何を受け入れないのかという「管理」をしている受付的なパーツもあります。
危険なものには、ちゃんと対応する警備員的なパーツさんもいます。
そして、モラハラ部長というはちょっと表現がきついですが、他人を批判するパーツもいるのです。
自分を批判するパーツなどもいるのです。
自分や環境を安全のために調整しているのです。まさに「管理」しているのです。
管理者パーツの何となくのイメージを掴んで頂ければとの想いでお伝えしました。
さて、そんな管理者パーツにどのようにアクセスすればいいのかをお伝えしますね。
管理者パーツへのアクセス方法
アクセスの方法は、個人個人違います。
ただ、そのパーツをイメージしてもらうのもいいですよね。管理者パーツがどのような姿をしているのか。
体の感覚から入っていき、どのあたりでそのパーツを感じるのか、というように進めていくのもありです。
感情や思考からアクセスするのもありですよね。
さあ、後半は、どのように対応するのかをお伝えしていきます。
内的家族システム療法における管理者パーツの対応法
許可をとる
何をするにも、パーツさんたちに許可を取る必要があります。管理者パーツは特にそうです。
受付の人に許可をもらわず、勝手に部長に会いにいったら問題になります。イキナリ社長室に飛び込んでいくのは論外(笑)
臨床でも同じ。例えば、管理者パーツにちゃんと対応せずに他のパーツにアクセスしようとすると…..
クライアントはこう思うでしょう。
「このカウンセラー、説明もせず許可も取らずに、深い部分にアクセスした!」
警備員呼びます! というようになります(笑)
そして、カウンセリングを継続しないという選択をすることもあります。
ニーズを聞く
管理者パーツがどのようなことを必要としているのかをヒアリングすることも大事です。
そして、その必要なことをどうやったら手に入るのかを一緒に考えることが支援者のお仕事でもあります。
どんなリソースを必要としているのか? どんな行動や環境を必要としているのか?
そこを満たしていくのです。モラハラ部長だって、プロジェクトをなんとか成功したいというニーズがあるのです。
ただ不器用なために、人を批判してしまっているのです。
役割を明確にする
管理者パーツの役割を明確にする必要があります。
パーツさんは、もともと極端な環境(虐待などの家庭環境)にいたから、極端な役割を押し付けられたのです。
言い換えれば、強迫的に環境をコントロールする必要がある極端な家庭環境にいたから、安全な今もそのような傾向が出ているだけなのです。
というようなことを話していると、極端な行動が少しずつ緩んでくるということです。
管理者的な役割は、本当に大変で、疲れるのです。
だってずっと管理しているのですから。ずっと大丈夫かどうか、危機管理しているのですから。
認める
どんなパーツもそうですが、存在を認めるということが必須になります。
お伝えしてきたように、許可をとったり、ニーズを聞いたり、役割を明確にしたり、
そのような観点から丁寧に進めていくと、「認められた」という感覚がパーツさんに出てきます。
どんな人でも、認められないのは辛いことです。存在意義を認めてほしいですよね。あなたはそこにいていいんだと。
心理カウンセラー自身の管理者パーツと向き合う
管理者パーツを理解して、対応法を知ることは大事なことです。
ただ、同じように大事なことは、支援者であるあなたの管理者的なパーツさんを認めていくことです。
支援者の管理者的なパーツが癒されてないと、カウンセリングの現場で「管理」しすぎちゃうんです。
アドバイスを不適切にしすぎたり、無意識になんとなく批判する言葉が出たりすることもあるでしょう。
支援者の中にいる管理者パーツが暴走しちゃうと、効果的な支援が提供するのが難しくなります。
最後に、あなたの中にいる管理者パーツさん、、、
この記事を最後まで読んでくれてありがとうございます(笑)