内的家族システム療法|消防団という依存パーツの対応法とは?

 

内的家族システム療法の「消防団」を解説していきます。

消防団というのは、依存的な部分ということです。

一般的な依存の治療法とは全く違う画期的なアプローチになります。

消防団の特陵、間違った対応法、効果的な対応法を徹底解説します。

まずは動画から、いかがでしょうか?

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内的家族システム療法(IFS)の消防団という依存パーツ

 

内的家族システム療法はパーツ心理学の注目されている1つです。

それについての解説はこちらよりどうぞ

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(記事)内的家族システム療法の解説

 

全体像(管理者、消防団、追放者)を理解したところで進めていきましょう。

消防団というパーツは、みんなを守るために火を消してくれている大事な存在です。

 

 

消防団(ファイアーファイター)の特徴

 

 

消防団の特徴をさらっとお伝えしていきますね。

特徴をしっかり理解することが、どのように対応、解放していくのかに繋がってもきます。

 

まさに火を消してくる消防士

消防団は緊急事態に火を消すのが役割なのです。

火を消すというのは何を意味しているのか?

トラウマからくるフラッシュバックという「火」なのです。その嫌な記憶、感情、感覚なのです。

そんな緊急事態に依存という行動で火を消してくれるのです。

依存のパーツ消防団さんは、ずっと火を消し続けて頑張ってきてくれたのです。

トラウマからくる炎で火事にならないように。これって、すごいことですよ。

 

10代のヤンキー的存在

消防団は10代のヤンキー的なやんちゃなパーツの場合が多いです。

後先考えず、とにかく消火活動をするのです。

だって依存行動ってそうですよね。

健康にはよくないこと多いし、お金たくさん使うし、人間関係もダメになることもあるし。

そんなやんちゃな消防団は、後先考えず突っ走ります。だって緊急事態と思っているから。

 

感情の爆発を怖がっている

ヤンキー的なやんちゃな人の多くは、奥底では怖がっている、なんてこともありますよね。

それと同じで、トラウマからくる感情の爆発(追放者のフラッシュバック)がとにかく怖いのです。

だってそうですよね。燃え盛る炎、、、怖いですよね。

一般の人にとってみれば、フラッシュバックって「嫌なイメージが浮かぶ」という印象があるかもしれない。

でも消防団にとっては、一大事なのです!

そんな消防団にどう関わればいいのか? 特徴を知ることで少しは見えてくるのではないでしょうか。

 

特徴はまだまだありますが、大事なことは必要だから依存という消火活動をやっているということです。

消防団が悪い訳ではないのです。

 

 

従来の依存の治療的カウンセリングと内的家族システム療法の違いとは?

 

内的家族システム療法をはじめとするパーツ心理学的なアプローチは革命的です。

「革命的」って言い過ぎかと思いますよね。

でも、私にとって本当に革命的だったのです。

カナダにいた頃の臨床はじめての数年は、、、依存症の治療とか、依存をどうやって改善されるのか?

CBTやら〇〇メソッドやら、そんなことを学びに行ってました。

依存は治すもの、依存は悪いもの、というパラダイムでした。

もちろん、改善した方がより良い人生にはなるのですが、、、このようなアプローチをずっとやっていて本当に苦労しました。

そして、クライアントさんの依存ほとんど改善されませんでした。

そんな中、内的家族システム療法、パーツ心理学的なアプローチを学んでいった時、、、

支援者の私も楽になったし、クライアントさんも楽そうでした。依存も着実に改善されていきました。

 

 

依存パーツという消防団への間違った対応法

 

こんなこと聞いたことないですか?

支援者にリストカットをしていると言ったら、、、

「それは危険ですね。あなたの心と体が心配です。安全のために治療期間中はリストカットをやめてください。」

みたいなことを言って、、、

「もしその契約を守れないと、セッションを提供することが出来ません。」

はぁ? ですよね。

でも従来のカウンセリングはこうだったのです。

というか日本ではこのようなことまだまだやっています。

私もカナダにいた頃、このような間違った方法を覚えがあります。お互いの安全のためにということで。

 

このようなアプローチに、消防団はどう感じると思いますか?

リストカットをやめましょう、みたいな対応に消防団はどう反応するのか?

私が代弁すると、、、

「なめとんか〜!!!(怒)」ですよ。

 

だって消防団は安全のために火を消しているのですから。

安全のために火を消すな、とその支援者は言ってるのです。

こんな対応をすると、消防団はキレて、もっと依存をします。

 

想像してみてください。消防署に行って、安全のために消火活動をやめてもらえますか? って言ったら(笑)

ここで思うのです。これは支援者の完全な知識不足であり、対応力の無さからきています。

安全のためって、本当にクライアントの安全のためなのか?

支援者自身が安全にやりたいだけなのでしょう。

じゃあどう関わればいいのか? その辺をお伝えしていきますね。

 

 

内的家族システム療法の消防団への対応法とは?

 

1 消火活動をやってきた頑張りを認める

トラウマからくる炎(フラッシュバックなど)が発生すると、消防団たちは体を張って消火活動を何年、何十年とやってきたのです。

そんな素晴らしい功績を称えましょう。

 

一見、一般常識で考えると依存は不健康でやめるべきこと、みたいになっていますが、本当は「必要なこと」だったのです。

こどもの頃、日常生活を送るために、トラウマの嫌な感覚をたまにでも抑えないとやってられません。

ひとときの休息は必要ですよね。

そんな消防団のお仕事に、敬意を表します。

 

2 傷ついたチャイルドからくるフラッシュバックを減らす方法があると伝える

これとても大事なポイントです。

知らない人もほとんどだと思います。消防団は基本、チャイルドを「癒す」方法を知りません。

抑える方法は知っていますが。

だからこそ、支援者が傷ついたチャイルドからくるフラッシュバックを抑える方法がある、と伝えるのです。

そして、そのようなセッションをやっていくと、消防団は納得してくれるのです。

「消火活動を緩めてもいいかも」というようになるのです。

繰り返しますが、この部分とても大事です。

 

3 他のパーツに理解してもらう

消防団は他のパーツたちにどう思われてると思いますか?

みんな10代のヤンキー的な消火活動を、煙たがっていることが多いです。

煙たい、、、炎、、、ややこしい。(笑)

 

それはさておき。

部屋でくつろいでたら、、、急に消化器で火を消して真っ白ですよ(笑)

もちろん火を消してくれたという感謝はあるかもですが、激しすぎるのです。

では、どうすればいいと思いますか?

他のパーツさんたちには、消防団の役割を話すのです。消防団の功績を伝えるのです。

トラウマの火を消してくれたから、何とかやってこれたよね、というように。

 

関わり方、対応法、注意すべき点など、本当に沢山あります。

 

 

総合的な対応力が消防団には求められる

 

消防団さんを承認したり、寄り添ったり、対応していると、依存が緩んでくると思いますか?

パーツにちょっと寄り添ったり対話しても、そんな簡単に依存は改善されません!

だって依存は「強烈」ですから。

総合的にやらないと改善はされないです。

ソマティックなリソースを構築したり、消防団だけでなく他のパーツたちにもアプローチしながら、、、ソマティックな介入も必須になります。

依存というパーツにアクセスしたり、寄り添うことも大事ですし、依存を解消する様々なアプローチを使う必要もあったりします。

まあ、そんなこともあるのですが、とにかく「依存を治す」という従来のやり方では、本当に苦労します。

「治療して治すもの」というのと、「火事にならないように頑張ってきてくれたパーツさん」まあ、違いますよね(笑)