地震対応と被災者支援|対人支援者が知っておくべきこと

 

地震のアラームが鳴った瞬間、あなたは動けますか?

実は、具体的にシミュレーションしている人は少ないと思います。

私もそうでした。

この記事では、地震が起きた時にやるべきこと、普段からできる備え、

そして被災したクライアントへの関わり方についてお伝えします。

知っているだけで防げることがある。

逆効果になりやすい対応もあります。

支援者として、そして一人の人間として、知っておいてほしいことをまとめました。

 

地震アラームが鳴った瞬間、動けますか?

 

緊急地震速報のアラームが鳴った瞬間⋯⋯

あなたは、どう動くか、シミュレーションできていますか?

実は私、具体的に考えたことがなかった(笑)

アラームが鳴ってから強い揺れが来るまで、数秒から、数十秒。

やることは、たった一つ。「まず身を守る。」

そのために、3点あります。

「火を消しに行かない」

火の始末は、揺れが収まってから。

今のガスコンロは、大きな揺れで自動的に止まる仕組みが多い。

揺れの最中にキッチンへ行くのは逆に危険。

「スマホを確認しない」

数秒後には強い揺れがくる。スマホを見てる場合じゃな〜い(笑)

「外に飛び出さない」

都会の外は色々な落下物が危険。

倒壊しそうな古い家だったら、外に出ることも選択肢。

基本の行動は、「頭を守って、低くなる。」

よく「机の下へ」と言われますが、これは絶対の正解ではない。

本質は、「落下物から頭を守れる場所」で低くなること。

布団、クッション、それらで頭を守りながら、低くなる。

窓や背の高い家具から離れることも大切。

地震でけがをする人の30〜50%の原因が、家具の転倒・落下なのです。

手や足のけがは、なんとかなるけど、頭を守ることが最優先。

頭をやられたらその後、動けなくなっちゃう。

ポムは、地震のアラームが鳴る前に、もう動いているかも〜

 

 

動物は本能で、一番安全な場所を体で知ってそう。

私たち人間は、頭で考えておかないと。

だからこそ、「一人防災リハーサル」が大事なのです。

何で頭を守って、どこに移動するのか?

リビングのどこが一番安全か。寝室ではどこに移動するか。

場所ごとに、一度イメージしてみてください。

私もやってみました!

この部屋だったらここだな、という1つのスポットがわかるんです。

知っているだけで、防げることがあると思います。

 

 

支援者こそ、自分の命を守る行動を|事前にできる4つのこと

 

① 寝室の家具

特に危ないのが、寝ている間に地震が来た時です。

眠っている間は、判断も行動も遅れます。

だからこそ、寝室には背の高い家具を置かないことが大切。

どうしても置く場合は、天井に固定する。

「天井 突っ張り棒」アマゾンとかで検索。

私は、これはやれてた(笑)

 

② 枕元の三点セット

枕元に、スリッパ(または靴)、懐中電灯、ホイッスル。

知ってますよね、これ。でも、実際に置いてます?

私はスリッパだけ、置いてました(笑)

懐中電灯も、単三電池のもの、充電式のもの、1万円以上するもの、

ネットで色々あって、選ぶの楽しかったです。

ぜひ探してみてね〜

 

③ 水と食料の備蓄

水は一人あたり1日3リットルを目安に、1週間分あると安心です。

食料も火がなくても食べれるのを1週間。

ご飯に水をかけるだけのやつ、なんとか食べれました。

「非常食」「10年保存水」検索してみてね。

ふと思ったけど、必要なものを、まとめてネットで注文するのが、一番楽かも。

 

④「安全座席」を決める

家の各部屋で、「ここなら安全」という場所を一か所ずつ決めておく。

地震が来たら、そこに行く。

それだけ決めておくと、パニックになっても体が動きます。

一人防災リハーサル!ですね。

 

そういえば、ポムに、地震の備えはあるか聞いてみた。

何もしてませんでした〜(笑)

ポムには、頑丈なゲージがあるから大丈夫かな。

 

 

いざという時は、ポムを抱えて安全座席に移動する。

そんなリハーサルを脳内でやってみた(笑)

防災も、支援も、まず自分から。

自分の命を守れる人が、人の命を守れるのです。

 

 

その被災者への関わり、逆効果になる

 

地震や災害を経験した人が支援者に話し始めます。「地震があった時に……」

支援者として、その話をどうしますか?

大変でしたね、と共感するのは大事。

でもその話を何分、聞きますか?

その人の状態にもよります。

リソースが多い人、慣れてる人なら少しずつ話しを聞くこともあります。

トラウマを解放するために。

でも、ほとんどの場合、すぐに話を止めます。

20秒以内には止めます。

5秒で止めることもあります。

3秒で⋯⋯

早押しイントロクイズかっ!(笑)

被害体験を聞くことはとても危険な行為です。

体験を詳しく聞けば聞くほど、相談者はもう一度あの瞬間に戻っていくのです。

揺れている感覚。あの時の恐怖。逃げられなかった後悔。

それらを再体験させてしまう。結果、フラッシュバックが酷くなることもあります。

大袈裟ではありません。

相談室の中で、もう一度、地震を体験させてる!ということです。

これって支援者による加害になっちゃう。

 

 

コクランレビューによるでブリーフィングについての研究結果

 

トラウマ直後に体験を詳しく話させるのを、「デブリーフィング」と呼ばれています。

コクランレビュー。

世界中の研究を集めて体系的に分析する、最も信頼性が高いレビューです。

そのコクランレビューがこう結論づけています。

「デブリーフィングはPTSDの予防に効果がないか、むしろ悪化させる可能性がある。」

さらに、状態が悪い人ほど、より影響を受けやすいのです。

一番助けたい人が、一番害になる可能性がある。

もちろん、相談者は、楽になりたいから話したいのです。その気持ちは自然です。

でも、そこを止めて差し上げることが、本当の支援なのです。

これは、流派とか関係ない。

止めるという方法も選択肢としてあるよね、ということではないのです。

「聞かないこと」が最大の支援になる。

研究でも、臨床の現場でも繰り返し確かめられてきたことです。

ポムが地震にあったとします。

「ポム、何があったの?」と聞いても、ポムは話せません。

ワンワンとは言うかも(笑)

でも、ポムは体験を語れなくても、ちゃんと回復していきます。

 

 

体験を語ることと、回復することは、別のことなのです。

もし語ることだけが回復の道だとしたら全ての動物、PTSDまみれだよ〜(笑)

でも、そうなってない。みんな穏やかに暮らしてる。

では被災者の話を聞かないなら、何をすればいいのでしょうか?

次は、その具体的な関わり方をお伝えします。

 

 

被災者への、効果的なセッションとは

 

被害体験を聞くことが逆効果になる、というお話をしました。

では、話を止めたら、その後、どうすればいいのか?

それは⋯⋯「今ここに戻す」

ポムが地震にあって落ち着かない状態になってる!

やばいやばい。焦っちゃう(笑)

どうすればいいか?

ポムの背中をそっと撫でる。「今は安全だよ〜」

落ち着いた神経系で、ただポムと共にいる。

 

 

ポムは、「怖かったよ〜」とは言えません。

でも、今ここにいる安全を、体で感じることができます。

それで十分なのです。

人も同じです。

トラウマが活性化すると、「今もあの出来事が起きている」と感じてしまう。

過去なの? 現在なの? わからない〜 ってなっちゃう(笑)

過覚醒で地震のことを語っている時、過去に戻ってるのです。

だから今に戻ってきてもらうのです。

 

 

心理セラピーの現場で、今ここに戻す3つの方法

 

グラウンディング

「今、足の裏は、どうですか?」「今、椅子の感触は、どうですか?」

身体の感覚に意識を向けることで、今ここに戻れる。

神経系が自然と「今は安全だ」というモードに切り替わっていくのです。

 

オリエンティング

「今、この部屋をゆっくり見渡してみてください。」「何が見えますか?」

部屋をぐるっと見渡すだけで、神経系は安全を感じ始めます。

それと同時に部屋が散らかってることも認識できる(笑)

でもこれらの方法が合わない人もいます。

その場合は⋯⋯

 

その人に合った話をする

趣味の話、好きな食べ物の話、ペットの話。

相談者が楽に話せる話題へ移っていく。

これも立派な「今ここに戻す」関わりです。

今に戻す方法は、たくさんあります。

その瞬間の相談者の状態、今までの関係性、その人が何に安心するか、

それらに合わせて、支援者が選んでいくのです。

 

心理教育

そして、なぜ今ここに戻すのかを、相談者に伝えることが大切。

いきなり「足の裏、感じてみてください。」って言ったら、

「足の裏……?」

「先生、大丈夫?」

「なんか変な宗教ですか?」ってなっちゃう(笑)

だから事前に

「今日は体験の詳しいことは聞かないようにしますね。理由は……」

こう伝えるだけで、相談者は安心します。

でも、最も大事なことは……

支援者が、セッションの前後に自分の神経系を整えていく。

支援者がまず今ここにいる。

落ち着いた神経系は言葉以上に相談者に伝わります。

支援とは、「何をするか」だけではなく、「どんな状態でそこにいるか」なのです。