先日、開業カウンセラーが逮捕されました。
女性クライアントに性加害をした事件。
なぜそんなことになったのか?
私たち支援者がここから学ぶべきことは?
こんなことが絶対にないように、支援者みんなで意識していきましょう。
コンテンツ
臨床心理士が女性相談者に性加害をした事件
今回逮捕された人は、大学で教えてたり、臨床心理士だったり、沢山の〇〇学会に所属してたり。
そんな人が、という驚きでした。
ソマティック系のトレーニングも終えてるし、それ系の本も出版してるし。
私の率直な感想。
まず被害に遭われた方に⋯⋯「本当に申し訳ない」
そして加害者⋯⋯「クソきもい!」「業界の恥さらし!」
ま、事件は事件として、あるんだけど、
これは他人ごとではありません。
心理の業界でも、他の業界でも、セクハラやモラハラはありますよね。
心理の支援者が相談者を何らかの形で搾取したり、利用することは今回の事件だけではないです。
少しでも業界を倫理的に、健康的にするためにも、身を引き締めましょう。
特に男性カウンセラー!
もちろん女性カウンセラーも同じです。
具体的に何を意識して行動すればいいのか?
何点かお伝えしていきますね。
心理士の倫理を確認する
まず倫理を再確認しましょう。
学んだことない支援者。
学びましょう。当たり前〜 当たり前〜 当たり前体操〜 ♪
臨床心理士 倫理とググるところから始めてもいいですよね。
バウンダリーにテーマがある人
そして、バウンダリーにテーマがある人、セッション受けましょう。
人との距離感が、ビミョーな人です。
セッションでなくても何とかしてテーマを解放させましょう。
おかしな状態に少しずつなっていくのです。
いきなり性加害とかではないのです。
例えば、こんな流れです。
特定の相談者を1日の最後の枠に入れる⋯⋯
セッション後も30分とかダラダラしゃべってる⋯⋯
一緒に駅まで歩く⋯⋯
車で送る⋯⋯
一緒に夕食を食べる⋯⋯
変な恋愛感情的な⋯⋯
みたいに数ヶ月かけてズルズル、滑り落ちていくのです。
最初の段階で意識する必要があるのです。
一緒に晩飯食べてる!?「そんなアホな!」ですよね。
でも実際にあるんです。
倫理を意識してない、自分の愛着問題やトラウマを解消してない、
そんな複合的な理由で、ズルズル落ちていることにも気づかないのです。
さらに注意すべき点は⋯⋯
支援者の中にある加害性を見つめる
私たちの中の「加害性」を意識する。
私は加害なんてしません!
そう否定する人、なおさら意識しましょう。
支援者みんなの中に、加害的な部分あるから。
何の加害もせずに、ここまで生きてきた人はいないですよね。
今回のような事件、ある意味、私たちの中にある加害性の象徴とも言える。
まず意識することからやっていきましょう。
カウンセラーとクライアントという独特な関係
突然ですが、心理カウンセリングってどう思います?
相談者がちょープライベートな、人生の悩みを話す。
そして支援者が一緒になって悩みを解決していく。
これってとっても独特な体験だと思うんです。
とっても親密な関係だと思うんです。
体の不調を改善する、医者と患者という関係もあります。
何かを学ぶための、先生と生徒という関係もあります。
それよりも何かこう⋯⋯深い感じがします。
心理カウンセリングって
トラウマとか、心の奥の部分とか、
そこを支援者と相談者で向き合っていくんです。
これって、とてもデリケートなことだし、危険なことだし、
知識、配慮、関わる支援者の人間性も問われてきます
お互いの感情も影響しあいます。
お互いの神経系も影響しあいます。
深い関係なのです。
お伝えしたいのは⋯⋯
危険だよ。
親密だよ。
深いよ。
そういうお仕事なんだと、まず支援者が意識しましょう。
意識することでより安全に効果的にやれると思うんです。
もうちょっと言うと、心理の業界は、
そういう繊細な部分を扱うからこそ⋯⋯
相談者の人生や家族に永続的ないい影響があったりします。
心理カウンセラーという仕事に誇りを持てたりします。
安全にやれれば、こんな素晴らしい関係性ってないなと思うのです。
他人の悩みを一緒に悩み、解決しようとする⋯⋯
美しい人間の行為だと思うんです。
だからこそ、そんな大事な仕事をしている自分を
いたわってあげてくださいね。
性に関することを扱う心理臨床の現場
今回の事件のカウンセラーの状況はわからないので、
一般的なことでお伝えしてきました。
ここまでをまとめると、
◉ 心理士の倫理を復習する
◉ バウンダリーのテーマを解消する
◉ 自分の加害性を意識する
◉ 独特な関係だと意識する
ということでした。
もう一つは、性的トラウマに関することです。
文章で書くには伝わりにくいこともあるのでご了承ください。
頑張ります(笑)
性的トラウマの臨床って本当にレベルの高いものが求められます。
それくらい相談者が傷ついておられるのです。
性的な傷つきがあるクライアントがいますよね。
そして、性的な傷つきを解消していない支援者がいる。
そうすると⋯⋯今回の事件のようなことに発展しかねないのです。
恋愛関係になる、というのも同じことです。
誤解しないでほしいのが、クライアントと支援者の両方に責任があるとか、
そういうことではないんです。
両方が影響しあって、よろしくない関係になるのは事実ですが、
大事なことは、恋愛関係になるとか、性暴力をするとか、
支援者が100%の責任を問われるのです。
クライアントとカウンセラーが、
恋愛関係になってはいけないのです。
話を戻しますね。
性的な傷つきを、クライアントも支援者も解消していない状態。
例えると、登山で遭難しているクライアントがいる。
そこに堂々と登場するんです。
勘違い心理士さん(笑)
じゃじゃ〜ん!
「レスキューにきましたよ〜!」
「今からロープを結んでいきますね」
「あっ、あれっ!?」
「ロープちぎれてる!!!」
「だ、大丈夫です。」
「無線で応援を呼びますね」
「あれっ!?」
「電池切れてる!!!」
「なんでやねん!」
「なんでいつもこうやねん!」
ブチギレてるレスキュー隊員。
キレたいのは遭難者だよ〜(笑)
一緒に遭難してしまったのです。
支援者が自分の性的な傷つきを解消してないというのは、
ロープも切れてるし、無線のバッテリーも充電されてない。
みたいなことです。
2人で遭難するということは、恋愛関係になる、性暴力をする、搾取する、
みたいなことに発展するのです。
支援者が自分の性的な傷つきを完璧に100%解消してなくてもいいのです。
ある程度でいいのです。
そういう部分を意識できているか? なのです。
性的トラウマの臨床をやれるには、色々求められるのです。
だから2時間とか、1日のセミナーとかで簡単に伝えていないのです。