性的トラウマの心理セラピーで失敗しないために

 

さてさて、男性とも女性とも性的なトラウマの臨床をずっとやってきて、、、、想うことがある〜! 沢山ある〜!

全部伝えると、本になる〜!(笑)

性的トラウマの臨床を失敗しないために何をする必要があるのか?

性的トラウマを抱えてきた何千人との臨床経験からお伝えしていきますね。

まずは動画の視聴がオススメです。

⬇︎

 

さらに記事でも読んでくださいね。

⬇︎

 

性的トラウマの支援は苦労の連続

 

一つは、マジ大変やった。試行錯誤の連続だった。

「だった」というか、今でもそれなりに試行錯誤(笑)

だって、どんなことも一筋縄ではいかない。

例えば、マインドフルネスやっても内省できない。リソースの構築である、呼吸をやっても、オリエンティングやっても、悪くなる。

そして、提案すること、「やりたくない」と言われる。表面的には「やらなくても大丈夫ですよ〜」なんてカッコつけて言いながら、、、

内心「どないしよ!」 ってね(笑)

 

 

余談ですが、「やりたくない」って言ってくれること、これチャンスですよ。だって意思表示という素晴らしいことをしてくれた訳ですから。

話を戻しますが、性被害のサバイバーさんが悪いわけではない。それくらいサバイバーさんの傷が深いということだと思います。

ほんの少し呼吸を深くする、、、それができないくらい、いっぱいいっぱいの状態なのです。

だから試行錯誤が必要だったのです。

「安心安全が1mmもない」

「リソースなんてありません」

そんなことを言われたらどうすればいいの? そんな苦労をしてきました。

まあそんな苦労、、、サバイバーさんの苦しみに比べたら、、、100分の1くらいだろうけど。

言いたいことは、、、「マジ感謝してます」

そんな臨床にずっと関わらせて頂いたからこそ、、、人に教えれるくらいの臨床力がついた。

性的トラウマの臨床、、、山ほど失敗してきたし。山ほど感謝もされてきました。山ほど成長もさせて’頂きました。

 

 

性的トラウマの心理カウンセリングで失敗しないために

 

失敗しないために様々な要因がありますが、まずは基本的なトラウマの臨床をしっかりできるようになる、ということです。

順番があるということです。ピラミッドを想像してください。

底辺にあるのは、基本の心理カウンセリングができること。

その上にあるのがトラウマセラピーができること。

それができて、その上にある虐待の臨床ができる。

そのピラミッドのさらに上にあるのが、性的トラウマをの臨床ということです。このような構造です。

 

性的トラウマの臨床は、総合的なスキルや対応力が必要とされます。

それくらい難しい、ということだと思います。

よく言われるんです。2時間の講演で、「性的トラウマの臨床のやり方を教えてほしい」

え〜と、、、ですね、、、無理です(笑)

やったとしても、とても表面的なことだけになってしまいます。

だから、時間がかかってもトラウマセラピーを丁寧に学んで、効果的にやれるようになる必要があるのです。

様々なオンライン講座を提供していますが、「性的トラウマが対応できる」なんていうオンライン講座を作っていないのは、この辺の理由からです。

1つのことを理解するには、その周りにあるものを知る必要がある。

性的トラウマの臨床を理解するには、それがどのような構造の中に存在するのか? それを理解する上で、このような図で解説しました。

 

 

性的トラウマの心理セラピーは、人としてのありようが問われる

 

トラウマセラピーをより繊細に、より効果的にやるスキルがまず求められます。

そして、もっと大事になってくるのが、人としての「ありよう」です。

 

 

「人格」とも言える。「人間性」とも言えるかも。性的トラウマの臨床は、それがより求められます。

でも、なぜだと思いますか?

 

理由1 傷が深いから

性犯罪は虐待や犯罪の中でも、ある意味において、最も深い傷を負わせるからです。

どんな症状が出るのかは割愛しますが、、、

とても辛い。フラッシュバック、解離、自殺願望、、、

それと共にいる支援者のありようが、ブレブレになるくらい辛い状態の場合もよくあります。

 

理由2 対人のトラウマだから

なぜ「ありよう」がそこほど求められるのか?

それは、性的トラウマが対人トラウマの1つだからです。

支援者に対しても、不信感、怒り、無力感、色々出てきます。

こんな感じです。支援者さん、、、あなた、、、

「この強烈なフラッシュバック治せます?」

「あなたのこと信用していいんですか?」

なんて強くせまられたらどうですか? せまられても、どっしり構えている必要があります。

そんなんで、いちいちビクビクしてたら、「あ、無理だこの人」なんてことになる。

ビクつかない方がいいけど、別にビクついてもいいんです。誤魔化さなければ。

専門家ぶって、大丈夫なフリしてしまうこともありますよね(笑)

 

理由3 支援者の被害性の統合

なぜ、ありよう、人間性が求められるのか?

支援者の被害性も影響してきます。自分の被害体験もしっかり統合してた方がいい。

自分の性的なトラウマを統合してないと、セッション時に、クライアントさんの被害体験に寄り添えないですよね。

支援者側が反応しまくって。感情出ることもあるでしょう。

もしくは、クライアントの性的トラウマのこと自体を否定したり。だって、支援者自身の被害体験が脅威になるから。

 

理由4 支援者の加害性

あまり言われてないですが、自分の加害性の部分がもろに問われてきます。

「あんたも、加害的なとこあるよね!」 みたいに。

被害者であるクライアントは「加害」に関してとても敏感です。

その辺を確認してこられることもあったりします。

その時に、変にカッコつけたり、反応すると、よろしくない結果に。

もちろん言葉にせずに、内側で密かにそう思っている、なんてこともありますよね。

 

今苦しくないですか?

他にも色々ありますが、この辺にしときます。

だってなんか支援者さん、、、このブログ読んでいて、今、苦しくなってませんか?

結構ホンネの部分だったし。

厳しく伝わったかもしれませんね。

 

 

別に、性的トラウマの臨床の経験が豊富な私がすごい、なんてマウンティングしたい訳でもありません。

お伝えしいたことは、性的トラウマが背景にあることが多い。そして、性的トラウマの臨床は、必須だということ。

そして、そのような臨床ができるようになれば、基本的なトラウマセラピーがより効果的にできるようになるということ。

さらに、性的トラウマの臨床ができるくらいの、「ありよう」を育てる挑戦をすれば、、、

あなたがもっと楽になる、もっと成長するチャンスでもある、、、

ただただ、そう思いますよ。

 

 

ポイントを整理します

 

私は性的トラウマの臨床で苦労したし、成長させて頂いた。

性的トラウマの臨床で大事なのは、効果的なトラウマセラピーを、まずやれるようになること。

より繊細で総合的なスキルが求められる。

性的トラウマの臨床で最も大事なのは、ありよう、人間性。

その理由は、

(1)クライアントがとても傷ついているから

(2)強烈な対人のトラウマだから

(3)支援者の被害性を統合する必要性だから

(4)支援者の加害性をしっかり把握する必要があるから