スポーツ心理学|最高のパフォーマンスを発揮

 

2020東京オリンピック。日本はメダルラッシュでしたね。

そんなアスリートたちを、支えるスポーツ心理学の話です。

心理カウンセラーやコーチなどの支援者にも、普段の現場のお仕事で活用できるエッセンスがあると思います。

最高のパフォーマンスを発揮するには何が必要なのか?

 

なぜスポーツ心理学で選手は最高のパフォーマンスを発揮できるのか?

 

まずは、カナダに住んでいた頃の、ちょっとした小話から始めさせてください。

 

カナダで出会ったスポーツ心理学者

バンクーバーで学生をやっていた頃。

臨床心理学の授業がとても面白かったのです。その教授、スポーツ心理学者でもあったのです。

私もスキー競技をずっとやっていたので、とても興味津々でした。

その教授がカナダのトップ選手たちをサポートしていたのです。

 

 

もう30年とか40年前の話です。80年代、90年代と言ったら、スポーツは「気合と根性」の世界。

水は我慢しろ!みたいなトンデモない時代(笑)

 

あることが結果につながった

そのスポーツ心理学者がサポートすると、、、アスリートたちは最高のパフォーマンスを発揮!

何をしたんだと思います? イメージトレーニング!? メンタルサポート!?

そんなのでは、なかったのです。これ40年とか前の話。気合と根性の時代。

そのスポーツ心理学者は、、、オリンピックとか、世界大会の試合の前日に、選手たちにあることをやってもらったのです。

「お笑い番組を見る!」

選手たちはゲラゲラ笑う。

次の日、大事な試合を意識して、ガチガチになっていた選手も、笑いまくり! チームの雰囲気もよくなる。

そして、次の日には最高のパフォーマンス。

 

どれだけ平常心でやれるか

よく言いますよね。

練習でやれていることを本番でやればいいだけ。でも、それが難しい。

力むし、緊張するし、周りの期待もあるし。どれだけいつもの平常心でやれるか。そこが結果につながる。

お笑いを見る。そんな画期的なことを40年前でもやっていたのです。

さすがカナダですわ。

そりゃ、気合と根性だけでは負けちゃいますよね。

 

今回の東京五輪のメダリストたち

今回の東京五輪。特に10代の若いメダリストたち。試合後にコメントしています。

「楽しめた」「普段どおりにやった」スポーツ心理学者がサポートしていた訳ではないと思う。

私は思う。今回のメダリストたち、、、前日に、「お笑いを見たな〜!(笑)」

たぶん、サンドイッチマン(笑)

補足ですが、もちろん短絡的に、お笑いを見れば結果が出る、ということを言いたいわけではないです。

選手の状況をしっかり把握して、必要なことを提供する。それが「お笑い」だったというだけのことです。

 

私がアスリートをサポートさせてもらえるなら、、、

色々やりたいことがある! そんなことをお伝えしていきますね。

 

 

私が心理士としてトップアスリートをサポートするなら

 

私が一流スポーツ選手のサポートをするなら何をするのか?

ま〜そんなオファーはないと思いますが、、、(笑)

やるとすると、、、まず私ひとりでは絶対にやらないということです。

すでにスポーツ心理学者として選手をサポートしている人と一緒にやります。

私がトップ選手のサポート経験がないからです。無責任にできないですよね。

だから、その「スポーツ心理学者さん」に色々手助けをする、という立場でやります。

選手、スポーツ心理学者、私、コーチ、ドクター、スタッフ、その他の関係者というチームでやります。

 

その専門家のチームに、私が貢献できると思うことを、いくつかお伝えしていきますね。

 

 

不必要なトラウマを解放する

 

1つ目は、選手のトラウマ治療的なことをします。

せっかく遺伝的に恵まれていても、メンタル的な部分が、そんなに強くない選手もいますよね。

最近でもSNS上での批判とかも強いですよね。

スポーツ選手って強そうな印象が目立ちますが、ひとりの「人」なのです。

私たちと一緒で色々悩んで毎日を生きている。

自責が強すぎる選手とか。過去のトラウマでしんどくなっている選手とか。

 

未処理の闘争逃走反応?

未処理の闘争逃走のトラウマのエネルギーが体に溜まっていると疲れやすいのです。

ここで大事なのが、トラウマ解放をした方がいい時、しない方がいい時、それを見極めること。

例えば、過去の大きな大会で失敗したことをずっと引きずっていたとします。

それが練習のモチベーションになったり、成功したい欲求につながっている場合などもあるのです。

あとは、、、過去にコーチや親にモラハラ的な言葉の暴力を受けていた場合。

スポーツ選手によくあります。コーチや親がとっても厳しかったりする。

 

 

私もスポーツをやっていた時、、、罵倒されまくってる選手、いじめとか、色々みてきました。

この辺は本人と相談して、トラウマ解放をすることもあるでしょう。

頭の中に厳しい親やコーチがいると、スポーツ選手としての「成績」という部分にはプラスに働くこともあるかも。

でも、苦しい思いをして生きること、、、これってどうなのでしょうか?

最終的には選手本人の価値観ですね。

トラウマ解放のメリットやデメリット、その他諸々があります。

この辺を選手本人と、ぶっちゃけてしっかり話すかと思います。

それが人生の豊さにつながるとも思います。

そして、スポーツ心理学者だけだとトラウマの部分は、何もしなかったり、余計なトラウマ解放をしてしまったりするかもしれません。

 

カウンセリング現場でも同じこと

トラウマを解放する時、そうでない時、このテーマはスポーツ選手だけのことではないです。

普段の現場のカウンセリングでも同じです。見極めが大事。

そして本人としっかり相談することです。

トラウマ解放が最終的な目的ではないということ。

どんな価値観を大事にするのか? どう人生を生きたいか? ですよね。

 

スポーツ選手に私ができること、まだまだありそうです。

この内容を書くのは、たぶん私が10代の頃アルペンスキーをずっとやっていたからだと思います。

その時に、今の知識やスキルがあれば、、、

もっと成績を残せたのに! もっと楽しめたのに!

そんな後悔があるからでしょう(笑)

 

 

アスリートに決定的に欠けているもの

 

一流アスリートたちをテレビで見てると思いませんか?

みんな、めっちゃストイックだと。

体とか酷使してますよね。試合の時は一瞬でも、毎日毎日、何年も、、、練習している。

筋肉を鍛えたり、パフォーマンスを磨いたり。

これを簡単に説明すると、「脳」が「体」を使っている、「脳」が「体」に指令を出している、ということです。

そんなことを毎日のようにやる。

私もアルペンスキーをやっていた時、とにかく筋トレ、走りまくったり、半端ないトレーニングでした。

スキーをやる時も、常に脳から指令を出して、体を動かしたり、体重を移動させたり、力を入れたり、するのです。

 

 

だから、、、

⬇︎

こういう図式ですよね。一方的なのです。

 

ソマティック心理学的なアプローチ

ここでソマティック心理学です。

アスリートにトレーニングでやってほしいことは、「体のメッセージを受け取る」ということです。

図に表すとこうなります。さっきの逆です。

⬆︎

マインドフルネスとか、瞑想とか、体の感覚を育んでいくワークなどをやってもらいます。

ソマティックな心理セラピーの世界では普通のことですが、ほとんどのアスリートには盲点だと思います。

体と対話してもいいし、体の微細な感覚を受け取れると、、、まず怪我も減ると思います。

そして、種目によってはパフォーマンスが上がりそう。

丹田を意識するセンタリングなんか最強ですよね。全ての種目に必要です。

センタリングの記事はこちらより

 

⬇︎

 

⬆︎

これをアスリートにしっかり教育する。

知識として知ってもらうことも大事です。

 

戦略的な解離の活用方法

体を解離させたり、疲れを麻痺させる方法も必要です。

短距離走やマラソンを例に説明しますね。

試合の時は、思いっきり体を酷使すればいいのです。

ある意味、解離させればいいのです。

「戦略的解離運動能力」とでも言いましょうか。それにしても、漢字が多いな(笑)

マラソンだと、疲れたなんていう感覚を麻痺させればいいのです。

かなり過酷ですが(笑)

そして、競技が終わったら、ちゃんと「体さん」をケアすればいいのです。

 

「脳と体」という話でした。脳から体へ命令するだけでなく、体からメッセージを繊細に感じ取れれば、、、

最終的には、体を使いながら、体から感じ取っている、なんてことを、同時にできたりもすると思います。

まだまだアスリートにやれることあります。

 

 

チームで最高の状態にする心理学

 

繰り返しになりますが、スポーツ心理学の話だけど、カウンセリング現場でも役に立つ話です。

アスリートに「トラウマ治療」「ソマティック心理学」という話でしたよね。

もっと色々やれると思います。

あなたの仕事場に、能力を発揮したいアスリートが相談に来られたらどうしますか?

 

アスリートの様々な側面

こう思うんです。

アスリートは葛藤している人も多い。

選手という役割をまっとうしていたり。

プライベートとは違った一面を持っていたり。

数々の失敗や成功を経験してきている。

この辺からアプローチできること見えてきませんか?

アスリートは様々な側面を持っている。

そんな内的なパーツたちにアプローチするのです。

それが能力の発揮に繋がるのです。

 

パーツをマッピングする

私がアスリートと関わったら、アスリートの全てのパーツさんをマッピングします。

 

 

厳しく育ってきたパーツ。選手を全うしているパーツ。

危機管理するパーツ。強迫的なパーツ。

のんびり屋のパーツ。楽しむチャイルドのパーツ。

そんな何十と出てきそうなパーツたちを全て書き出して、、、選手に対話してもらいます。

 

パーツたちに協力してもらうと最高

目的は、関係するパーツたちに、、、協力者になってもらうこと。

そんな内なるパーツたちがチームとなって力を発揮するのです。

まるで団体競技やな(笑)

チームで協力することは団体種目の選手たちにとってはお手のもの。

だから、内的なパーツたちがチームになっていく。そんなことを全ての関係者にやってもらうのです。

コーチ、他の選手たち、マッサージセラピスト、サポーターなどなど。

内的なチーム、実際の現実のチームということで、ちょっと話がややこしいですね(笑)

要するに、内的なパーツさんと対話している人が、集まって何かを成し遂げるということです。

そんなパーツ心理学を味方につけると、新たな世界が見えると思っています。

 

ここからが、さらに大事なポイントです!

チームメンバー全ての人が、、、

「トラウマ治療」

「ソマティック心理」

「パーツ心理」

これを活用しているのです。

そりゃ、そんなことが現実的なできた時には、、、

メダル獲りまくり〜(笑)

そうでなかったとしても、最高にハッピーなチームではないでしょうか。

 

もちろん、この3つだけで最高のパフォーマンスが発揮できる、

なんて思ってないですよ。まだまだありそうです。

それに、すでにスポーツ心理学者がやっていることに、付け加えてやると、より成果が出る、というご提案です。

選手の状況も一人一人違います。種目によっても、国によっても違うだろうし。

そんな個人差を大事に、目の前のクライアントに柔軟に対応することが前提となります。

 

は〜ぁ、

何度も言いますが、今の知識やスキルがあれば、、、

選手をやっていた頃にタイムスリップして、、、

もっとアルペンスキーを楽しめたかと思いますよ。

また何かやろかな。40代の私でも、できるやつ(笑)

 

何のためのスポーツなのか?

 

ま、勝ち負けとか、記録を出すとかも大事だけど、、、

最終的なスポーツの目的が

「世界平和」

であってほしいと願っています。

オリンピックゲームと言われるように、ゲームなのです。

だからこそ、大事な「大義」をみんなで意識していきたいです。